2013/12/28

【緊急抗議声明】安倍首相の靖国神社参拝を糾弾する

【緊急抗議声明】安倍首相の靖国神社参拝を糾弾する

12月26日 
反天皇制運動連絡会



 本日(12月26日)午前、安倍晋三首相は、突如靖国神社を参拝した。中国や韓国などとの外交関係を悪化させることが当然想定され、また、アメリカからもたびたび懸念を示されており、政府内やマスコミでも「靖国参拝見送りの公算」と言われていたなかでの、それはまさしく突然の参拝だった。


 われわれは、内外の反対を押し切って突如としてなされた、この靖国参拝という行為、そしてそれを通じての戦死者の「英霊」化とその顕彰、それが象徴する戦争責任・植民地支配責任の居直りのすべてを、怒りをもって糾弾する。


 まず、首相が「一宗教法人」たる靖国神社に参拝する行為は、国家の宗教との関わりを禁じた憲法の政教分離規定に反する行為である。この10月にも安倍首相は伊勢遷宮の儀式に出席した。これらは、解釈改憲によって実質的な改憲を積み重ねている、現在的な憲法破壊行為の一環である。


 さらに靖国神社は、その基本的な歴史認識として、かつての戦争を「聖戦」として賛美し、その戦争での死者を「英霊」として褒め称える神社である。1978年のA級戦犯の合祀は、東京裁判を根底から否定する彼らの歴史認識からすれば当然だった。安倍の靖国参拝は、そのA級戦犯を含む戦争の死者をまるごと「日本のために尊い命を犠牲にされたご英霊」とするものであり、侵略戦争と植民地支配責任を公然と否認することにほかならない。


 また、靖国違憲訴訟をはじめとする、積み重ねられてきた靖国批判の声、アジア諸国からの抗議の声に耳を貸さず、自分の「気持ち」だけを強引に押しつけて恥じない態度は、この間の安倍政権の、民主主義を無視した独裁的な政治手法の現われでもある。まさに傲慢不遜というほかない。


 一部マスコミは、今回の靖国参拝が、沖縄県に対する辺野古基地容認を無理やりに呑ませることに成功の見込みがつき、その点でアメリカからの批判を回避しうるというタイミングで決断されたのではないかと報じている。戦後日本国家の全面的な作りかえを目指す安倍政権の暴走は、社会の全分野であつれきを生みだしている。秘密保護法や日本版NSC設置を強行し、新防衛大綱・中期防衛力整備計画とともに「愛国心涵養」の文言を盛り込んだ「国家安全保障戦略」を決定した安倍政権は、まさに戦争国家への道を突き進んでいる。国家の指導者が戦死者を祀る神社に参拝することも、戦死者を今後新たに生み出していくための準備にほかならない。


 憲法の枠を公然と破壊し、国家主義を推進し、民衆の自由や生存権を踏みにじり、アジア諸国にたいすることさらな挑発をおこない、戦争国家への道をひた走る安倍政権を、私たちはけっして許さない。安倍はただちに退陣しろ!

2013/12/25

【申入書】辺野古への新基地建設計画の撤回を求める要望書  

【申入書】辺野古への新基地建設計画の撤回を求める要望書    

2013年12月25日 

反天皇制運動連絡会


内閣総理大臣 安倍晋三様

 政府は、辺野古への基地建設に対して、辺野古現地で身体を張って海を守る人々の存在を無視することは許されない。いま沖縄県庁前で抗議の声をあげ、また、県民大会に参加した九万の人々の反対の意思を無視することもあってはならない。沖縄県議会が全会一致であげた反対決議も、那覇市議会が全会一致で可決した意見書も無視することがあってはならない。いまこの寒空の下に集まって抗議する私たちの声も無視してはならない。
 それらのすべてが主張していることは、沖縄の人々の生存権にかかわることであり、沖縄の人々に連帯しようとする全国の人々、さらには世界の人々の平和と尊厳にかかわることである。
 沖縄の人々の生活の場である土地と海を奪い、生活そのものを壊し、沖縄の人々が平穏に生きる権利を侵害し続けることで得る「安全保障」などありえない。誰かの犠牲を前提として語られる「安全保障」は明らかに差別である。基地や軍隊を必要としない社会こそが、多くの人々の願いであり私たちの要求である。政府は世界規模のその要求に耳を傾けよ。
 最後に、私たちは天皇制に反対する立場から、以下の点を実行することを要求する。
1.辺野古への新基地建設計画を即刻撤回せよ
2.一八七九年の明治政府による琉球処分に始まる日本の沖縄支配、一九四七年の昭和天皇による「天皇メッセージ」に始まる沖縄の米軍への売り渡し、返還後も続く米軍支配の容認の歴史を反省し謝罪しろ。そして沖縄から基地を撤去するための努力をすぐに開始しろ。交渉する相手は仲井真知事ではなく米国であり米軍である。

2013/12/23

運動〈経験〉37号 ― 〈敗戦(8・15)後〉と〈原発震災(3・11)後〉

 2013年12月23日発行

目次


特集●〈敗戦(8・15)後〉と〈原発震災(3・11)後〉

戦後をやり直したい    ●北村小夜


天皇の「終戦」に抗して     ●栗原幸夫


民主主義の根本原則を再確認しよう    ●彦坂諦


一九四五年七月一六日と八月一五日の記憶    ●梶川凉子


震災後と敗戦後、そして何よりも戦争の認識をめぐって    ●高橋武智


戦後民主主義と科学主義をめぐって    ●加納実紀代


ロング書評「ヒロシマとフクシマのあいだ」    ●田浪亜央江


誤った戦後国家のスタート「主権回復の日」を今こそ問う! 4・28集会の記録  ●天野恵一+新崎盛暉+中村利也


[象徴天皇制の現在]社会に介入する天皇制    ●桜井大子


[連載・1968論議]「ベ平連」と「全共闘」    ●天野恵一


[福岡から]なぜ、いま、朝鮮学校とつながりたいのか    ●竹森真紀



定価:1000円+税
編集●反天皇制運動連絡会 
発行●軌跡社
発売●社会評論社 

2013/12/11

カーニバル9号[主張]


安倍独裁政権との対決を! 12・23反天連集会にも集まろう

 「特定秘密保護法案」が参議院で可決・成立して一夜明けたいま、この原稿を書いている。絶えず胸にざわめいてくるものがあるのを、押さえることができない。

 きのう(一二月六日)、日比谷野外音楽堂で行われた集会には一万五〇〇〇もの人が集まり、参議院会館前や国会正門前も何万という人で埋め尽くされた。多様な団体から反対声明が相次いで出され、世論調査でも五〇%が反対、パブコメや公聴会でも反対論あるいは慎重論が圧倒的多数、国連の機関からも憂慮が示されるという現実のなかで、なんとしても今国会で同法案を成立させようと、政府与党は多くの反対言論を嘲笑うかのように強行採決を繰り返した。われわれは、同法案の可決・成立を怒りをもって弾劾する。


 法案に対する批判の声は日を追って高まっていた。国会周辺での抗議行動への参加者が増大し、四日の国会議事堂包囲の「ヒューマンチェーン」は、平日の昼間にもかかわらず、六〇〇〇人以上が集まり成功させた。法案の問題点も早くからさまざまに指摘されていたが、何よりも安倍政権の強硬ぶり、そして法案の本質がどこにあるかを鮮明に示した石破の、ブログでのあの発言が人びとの怒りに火をつけた。


 石破の発言は、たんに自分が嫌いな反対派のデモをテロになぞらえて否定しただけではない。「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要」という「テロ」の定義からして、明確に「デモはテロである」と言ったのである。


 「安全保障にかかわる機密情報を漏らした公務員らへの罰則を強化」することを目的とするもの、などと説明されるこの法案が、実際には「国民」の「知る権利」を求める行為さえ違法なものとして処罰される恐れがあり、その政治的な行動を萎縮させることになるとマスコミも報じている。その通りだと思う。そのことを通して、警察主導の民衆への日常的な監視・弾圧は恣意的なレッテル貼りで正当化され、突出した行政権力による、フリーハンドの言論弾圧の根拠が与えられる。


 しかし、安倍や石破たちの、これに関してはまったく「ぶれない」強圧的な姿勢の根拠は何なのだろうか。おそらく、改憲まで射程に入れた彼らなりの国家の全面再編のプログラムにおいて、今回の法案が一つのメルクマールとなると彼らが充分に自覚していることを示しているだろう。また、いかに強硬な態度で政治を進めようとも、のど元を過ぎれば終息すると高をくくっているのかもしれない。あるいは、次から次へと攻撃を強硬に繰り出すことで、運動側の疲弊を狙っているのではないかとさえ疑わせる。


 どこかで歯止めをかけなければならない。この意味において、秘密保護法に関してもこれまでのさまざまな攻撃に対してと同じように、ひとつひとつの日常的な抵抗によって、その実質化を食い止め、廃案をめざす闘いが重ねられることになるだろう。「ファシズム」という語を安易に使いたくはないが、クーデター的な手法を重ね、ポピュリズムにも依拠しながら行政権力を突出させていく安倍の政治と対決する運動=抵抗線の形成がなされなければならない。ともに闘いを持続していこう。


 そして、反天皇制運動の課題としては、この安倍の政治と象徴天皇制との関わりを問題にしていかなければならないだろう。


 極右的な安倍政権の体質に対して、現天皇・皇后の「リベラルさ」を称揚し、これに「期待」するかの議論が後を絶たない。しかし、前提としてふまえられなければならないことは、天皇制とは憲法で規定された国家の機関として存在するものであるということである。したがってそれは「政治に関わらない」という建前にもかかわらず、大文字の「政治」に深く関わる存在なのであって、私たちはそのことをまさに問題とし続けてきたのだ。現天皇・皇后の「リベラルさ」の称揚とは、天皇制の強化にしかつながらないのである。


 安倍政権がねらう改憲では、天皇の元首化が明記されている。これはいわば、これまで「解釈」で元首化してきた天皇の「明文」元首化とでも言うべきものだろう。そこでは、天皇が関わる「政治」の再確定がなされることになるはずだ。すなわち、安倍政権が進めている全社会的な改変のなかで、象徴天皇制もまた変容せざるを得ない。


 私たちは一二月二三日の「天皇誕生日」を、天皇制の問題を考える日として位置づけ、毎年集会をもってきた。今年は、まさにこういったテーマ─安倍政権と「象徴天皇制の変容」─を、さまざまな角度から具体的に議論できる場にしていきたいと考えている。


 神戸大学教員で、家族論やフェミニズムを研究している青山薫さん、歴史研究者の伊藤晃さん、そして反天連の天野恵一の発言を受けて、全体で討議していきたい。多くの皆さんの参加を訴えます。   (北野誉)

反天皇制運動カーニバル9号[通巻352号]


反天連機関紙 反天皇制運動カーニバル9号

2013年12月10日発行


主張◉ 安倍独裁政権との対決を! 12・23反天連集会にも集まろう


動物(あにまる)談義◉ 〝天皇の政治〟の巻


状況批評◉ あらためて、二〇条改悪問題を考える─浄邦


反天ジャーナル


ネットワーク◉ 「現代のナショナリズムを考える─国はなくとも人は生きる」へのお誘い─加藤克子


太田昌国のふたたび夢は夜ひらく◉ 〈44〉特定秘密保護法案を批判する視点─太田昌国


皇室情報の解読◉ 抵抗のさらなる持続・拡大へー2013年12月5日・6日の記録─天野恵一


集会の真相
 
 集会情報
神田川




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