2013/07/11

「安倍改憲と8.15」 7.28討論集会


またしても8月15日がやってくる。私たちは例年どおり集会とデモ、そしてここ数年継続している8.15前段討論集会を今年も開催する。
8.15は私たちだけではなく、さまざまな団体・グループが行動を準備し、それぞれに少なくない人たちが合流してきた。その運動の歴史は長く、10年、20年のことではない。8.15と「全国戦没者追悼式」、「靖国」問題は、社会がどのように変わろうとずっと問題であり続けているのだ。それは戦争・植民地主義の歴史をいまだ克服しえず、その道にすらついていないことの証左でもある。そして事態はこの10年でより悪い方に動いていることは誰の目にも明らかだ。

現憲法は天皇条項など少なくない問題をはらみつつも、平和主義や主権在民、表現・言論の自由の保障など、国家の放恣を制約するスタンスを持っていた。安倍改憲は、天皇元首化や9条改悪を目論むだけでなく、私たちを縛る基本法として、その立ち位置を根こそぎ変えてしまおうというものである。
差別・排外主義、国家主義、歴史修正主義を本質とした「改憲」を推し進める安倍政権下で迎える8月15日を前に、私たちは、これまで8.15行動を共にしてきた友人たち、安倍改憲に不安をいだく人、8.15行動に関心を持つ人たちと、安倍改憲を軸に、8.15を含むさまざまな問題について意見を交換し、認識を深めていく時間を共有していきたい。

短い時間でできる議論は限られているが、それでも議論を積み重ね、深めていこう。そこで見えてくるものをともに考えていきたい。多くの方の参加を呼びかける。ともに!


〈課題と発言者〉
 ・生存権、格差問題: 山口素明さん
 ・弾圧、街頭行動の自由: 園良太さん
 ・歴史認識、反差別: 依頼中
 ・沖縄・安保、反戦、反基地: 竹内康人さん
 ・靖国問題、政教分離、慰霊・追悼問題、ほか: 実行委から

日時:2013年7月28日(日) 13:15開場
会場:日本キリスト教会館4F会議室


主催:ゴメンだ!安倍政権 歴史認識を問う 8.15反「靖国」行動
http://13815a.blogspot.jp/

呼びかけ:アジア連帯講座/キリスト教事業所連帯合同労働組合/国連・憲法問題研究会/立川自衛隊監視テント村/反天皇制運動連絡会/ 「日の丸・君が代」強制反対の意思表示の会/靖国・天皇制問題情報センター/連帯社/労働運動活動者評議会

2013/07/09

反天皇制運動 カーニバル4号(通巻347号)


反天連機関紙 カーニバル4号  2013年7月9日発行

 

 【扉】 (大子)
 

【主張】 ゴメンだ! 安倍政権(鰐沢桃子)

 

【貝原浩のあの時この時】 「売国=愛国」ナショナリズム

 

【状況批評】 今日の政治状況における日韓会談関連文書公開の意義(吉澤文寿/日韓会談文書・全面公開を求める会、共同代表)

 

【反天ジャーナル】 ・脱原発の誓いを国宝の寺で(核女)

                               ・NSAは盗聴がお仕事だけど(「ここだけの話」が大好き!)

             ・「父と公妨と証拠品」(大橋にゃお子)

 
【ネットワーク】 原発再稼働を阻止しよう!緊急伊方集会報告-現地闘争を支える交通費カンパに協力を-(岩下雅裕/再稼働阻止全国ネットワーク)


【寄稿】 日本共和主義研究-9条の思想がサンマリノに生きている 堀内哲著 同時代社 定価   2100円(堀内哲)
 

【太田昌国のふたたび夢は夜ひらく】39 諜報・スパイ騒動においても、裏面で作用する植民地主義的論理(太田昌国)

 
【野次馬日誌】 6月2日~7月4日
 
【集会の真相】 ・やってる実で、都交渉と討論集会をやりました(北野誉=反天連)
          
          ・「語り合い行動する自由」を呼びかけて(富田琴太郎)
 

【反天日誌】 

【集会情報】

【神田川】

 

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2013/07/05

2013 8・15反「靖国」行動へのよびかけ


 自民党安倍政権は、一定の支持率の高さにも支えられながら、「戦争のできる国家」をめざして、九六条を突破口として改憲攻撃を本格化しようとしている。それは、九条改憲のみならず、主権者民衆が国家をしばる立憲主義の原理を、国家が民衆をしばるための憲法へと全面的に転換する、きわめて国家主義的な方向性に貫かれている。天皇を元首とし、「日の丸・君が代」の尊重を謳う国家主義も、まさしくその「象徴」なのである。
 安倍政権は、原発再稼働、ゼネコンのための被災地「復興」、社会保障の切り捨てと消費税増税、TPP参加、国民共通番号制など、一連の政策を進めつつあるが、最優先されるべき政策の柱は、「民主党政権下で壊れた日米関係の修復」であるとしている。それはつまり、アメリカの政治・軍事的な世界戦略の一翼としての日米安保を一層強化し、辺野古や高江の基地建設をはじめとして、日米による沖縄の植民地的支配を永続させていこうとするものだ。この点において、安倍政権が、沖縄を切り捨てた一九五二年四月二八日のサンフランシスコ講和条約の発効の日を「主権回復の日」として、天皇・皇后出席のもと、国家式典をもって祝賀したことはきわめて象徴的であった。
 集団的自衛権容認や軍事力の強化は、「中国・朝鮮脅威論」や「領土ナショナリズム」の議論によっても支えられているが、安倍政権の政治的な資源が、右翼ナショナリズムにあることは明白である。
 四月の靖国神社春季例大祭を前後して、麻生副総理をはじめとする閣僚が靖国神社を参拝し、安倍首相も参拝はしなかったが「真榊」を奉納した。さらに、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」メンバーは、過去最多の一六八人で集団参拝をおこなった。韓国や中国からの批判に対し、安倍は「侵略の定義は学界的にも国際的にも定まっていない」「国のために命を落とした英霊に尊崇の念を表するのはあたりまえ、わが閣僚はどんな脅しにも屈しない」などと居直った。
 これら一連の発言には、アメリカからも強い批判が出た。米議会の調査報告も、安倍の歴史認識は「侵略の歴史を否定する修正主義的傾向」をもつと批判し、それが「地域の関係を混乱させ米国の国益を傷つける」などとしている。
 安倍のナショナリズムは「日米同盟」路線との対立すら生みだしているのだ。
 さらに、「慰安婦制度は必要だった」という橋下日本維新の会代表の発言は、その発言があからさまに戦時・平時の女性への性暴力を肯定する思想に貫かれていたゆえに、国内外を問わず、多くの批判と抗議の声をまきおこしている。しかし、ここでは橋下発言を批判して見せた安倍政権も、「慰安婦の強制連行はなかった」と何度も強調し、河野談話を実質的に否定する動きを強めている。これらの発言や行動は、決して一部の突出した右派政治家だけのものではないのだ。歴史の是非を転倒させる動きに対する多くの批判の声を無視し、それはいまや主流的な言論の一をしめてしまっている。そして、右翼・排外主義的な言説は、政権中枢から社会全体に広範に広がっているといわなければならない。
 私たちの反天皇制運動の課題は、多くの人びととともに、そのような歴史認識の歪曲・改ざんを許さず、天皇制国家による侵略・植民地支配責任を追及することであり続けている。しかし、こうした状況のなかで、反靖国、戦争責任追及や反天皇制の声を挙げていくことへのバッシングは、年々厳しくなっている。
 街宣右翼や在特会によるデモ妨害は、例年8・15の九段下周辺でも執拗に繰り返されているが、オスプレイ配備に反対する一月の沖縄上京団に対する妨害や、新大久保や鶴橋などにおける差別・排外主義扇動、さまざまな運動に対する妨害を繰り返している。さらには、それらの妨害行為を繰り返す彼らが、それに対する抗議を受けるや、「暴行された」などと称して「被害届」を提出し、権力の弾圧を呼び込むなど、そのやり口は卑劣さをましている。そして、彼ら右翼を利用してデモを規制しようとする警察権力の動きも、あいかわらず続いている。だからこそ、私たちは、あたりまえの権利としての権力批判の声を上げていかなければならない。靖国・国家による「慰霊」反対、天皇制の戦争責任・植民地支配責任批判の声を上げる8・15の行動に、今年も取り組んでいこう。
 かつての戦争を美化し、戦争の死者を顕彰する靖国神社の歴史認識は、閣僚・議員から民間右翼に至るまで、跋扈する歴史修正主義の思想的バックボーンのひとつである。さらに、天皇出席のもとで九段で開かれる「全国戦没者追悼式」も、戦争の死者のおかげで「戦後の平和」がもたらされたとする儀式だ。それは、死者たちを生み出した国家の責任を解除するばかりでなく、今後も「戦争国家」を確立していくために、「お国のための死」を尊いものとして受け入れさせていこうというイデオロギーにほかならない。
 安倍改憲政権のナショナリズム、排外主義に抗する反天皇制運動をともに作り出していこう。実行委員会への参加・賛同を訴える!

8・15反「靖国」行動実行委員会


【呼びかけ団体】アジア連帯講座/キリスト教事業所連帯合同労働組合/国連・憲法問題研究会/立川自衛隊監視テント村/反天皇制運動連絡会/ 「日の丸・君が代」強制反対の意思表示の会/靖国・天皇制問題情報センター/連帯社/労働運動活動者評議会