2013/10/15

カーニバル7号 [主張]



                嘘で成り立つ安倍政権を許すな!

 9月26日、安倍がニューヨークの国連総会で演説したという。記事を読んで目を疑った。「日本国内でも、紛争下の地域や貧困に悩む国々でも、女性が輝く社会をもたらしたい」「憤激すべきは、21世紀の今なお、武力紛争のもと、女性に対する性的暴力がやまない現実だ。犯罪を予防し、不幸にも被害を受けた人たちを、物心両面で支えるため、努力を惜しまない」とし、3000億円を超えるODAを約束し、国際刑事裁判所及び紛争下の性的暴力に関する国連事務総長特別代表と協力していくという。今回の訪米で安倍は、国連関連の四会議、シンクタンクなど三カ所でスピーチし、「積極的平和主義」「女性が輝く社会の実現」「アベノミクス」を繰り返しアピールしてきた、と記事は伝える。
 安倍は国際的にもこの手の嘘が通じると思っているらしい。やるべきこと(たとえば侵略戦争・植民地主義への反省と被害者への補償など)を無視し、まったく正反対の価値観で頭が埋め尽くされている安倍の、口先だけの「平和主義」やら「女性が輝く社会」「努力を惜しまない」等々の言葉に対する批判の説明など不要であろう。ただ、このような詭弁の域を超えた嘘で、何事かを進められてはならないということを、あらためて付記したい。
 歴史を隠ぺいし捏造する。未来を騙しつくり変えるほどの大きな嘘も平気でつく。しかも、卑劣漢のくせに「正義」の仮面を被っている。誰であってもそれは正しくないのだが、政権のトップにあって、実際に過去も未来も作り変えるほどの権力を持つ者だけは、絶対にやってはならないのだ。そう思うことの回数が、安倍政権以降ダントツに増えている。
 今朝(5日)の朝刊でも、秘密保護法案を何としても通すための嘘が記事となっていた。「『知る権利』明記へ」の見出し記事。だが、私たちが考える「知る権利」が保証される文言などどこにもない。「特定秘密」の指定のあり方問題、特定指定された場合の情報公開問題。「知る権利」とはほど遠い話ばかりだ。記事は、政府は「特定秘密の指定期間が30年を超える場合、理由を内閣に示して承認を得るとの規定を追加し、『知る権利に配慮した』と説明した」、と述べる。このハードルの高い規定をクリアしなくては得られない「知る権利」などないと同じだ。また、こんな法律のない現在においてすら、どれだけの報道の不自由、表現の不自由、知る権利の侵害がなされているか、私たちはよく知っているのだ。
 デモや集会への警察警備に関する情報公開など本当にひどく、デモ申請で主催者が出した情報以外は何一つ墨塗りから免れないという徹底したものだ。たかだかデモの警備に関する情報すらも現在においてこういうありさまなのだ。こんな法案を通してしまった後の社会を想像したほうがいい。自衛隊監視行動、反原発現地行動、公務員の活動、組合活動、情報産業や最先端企業の不正のリーク等々、思いつくものすべてが危なっかしいものとなる。国家安全保障会議(設置法案)、集団的自衛権容認問題とセットの危ない法案だ。懸念の声は決して小さくない。一緒に反対の声を上げていきたい。
 大嘘の話では、9月8日に決まったオリンピックの東京招致問題もあった。これについては次ページで放談しているのでそちらに任せたい。どうせこの課題は今後7年間は続き、反天課題として関わっていくことになるのだ。すでに、高円宮久子の招致を決めるIOC総会開会式への参加とスピーチという、露骨な話もあった。国際かつ国粋儀礼イベントに天皇家が関わらないわけはないのだ。古くて新しいこの課題、多岐にわたる視点が必要な運動ともなる。多くの仲間と議論を始めていきたい。
 もう一つの純国粋スポーツイベント「国民体育大会」(国体)は、9月28日に開会式が開催された。反天連メンバーも参加してきた「やってる場合か! スポーツ祭東京実行委」(やってる実)が主催する開会式当日の集会とデモは盛会に終わった(集会報告)。国体に関するさまざまな視点からの問題提起は、過去の運動の蓄積と知識から得たものはもちろん大きいが、同時に1年3ヶ月の活動を通して認識し直したことも実際たくさんあった。各地から駆けつけてくれた反国体を闘ってきた仲間との交流では、やっと反国体の運動の末尾に連なったように私などは思えた。やってる実が報告を出すことになっている。乞うご期待だ。
 この一カ月、ウンザリすることばかりではない。在特会の京都朝鮮学校に対するヘイトスピーチを「著しく侮辱的、差別的で人種差別に該当し、名誉を毀損する」として、約1226万円の賠償を命じた京都地裁判決や婚外子差別違憲最高裁判決など、悪くない話もある。どちらも、頑張った人たちの成果だ。反天課題もやらなくては前に進まない。継続は力なり。ともにがんばろー。    
             (桜井大子)

2013/10/13

反天皇制運動カーニバル 7号(通巻350号)


反天連機関紙 反天皇制運動カーニバル7号
2013年10月15日発行  
主張◉ 嘘で成り立つ安倍政権を許すな!
動物(あにまる)談義◉〝暗い五輪招致〟の巻 
状況批評◉ 改憲状況と東アジア─冨山一郎
反天ジャーナル◉
書評◉『犠牲の死を問う──日本・韓国・インドネシア』─池内文平
太田昌国のふたたび夢は夜ひらく◉〈42〉ボー・グェン・ザップとシモーヌ・ヴェーユは同時代人であった─太田昌国
皇室情報の解読◉ 信念をもったデマゴーグ安倍「壊憲」政権の手口
―〈オリンピック政治〉批判─天野恵一
野次馬日誌◉ 9月5日~10月7日
集会の真相◉
  • 許すな!差別・排外主義 生きる権利に国境はない! 9・23ACTION
  • 9・28 東京国体開会式反対集会・デモに90名
  • 9・29「やっぱりおかしい!銃剣道」国体当日集会
集会情報◉
神田川◉
 
●定期購読をお願いします(送料共年間4000円)
●mail:hantenアットten-no.net(アットは@に変換してください)
●郵便振替00140-4-131988落合ボックス事務局