2012/03/31

3.18「だからこそ、反戦を!」デモへの右翼の襲撃・暴力を許 すな!  ──抗議とカンパの要請──


2012年3月18日、私たちは、新宿で「だからこそ、反戦を!」集会とデモに取り組んだ。
私たちのデモは、防衛省先から曙橋にいたる靖国通りで、右翼によ
る激しい妨害と暴力に直面した。

靖国通りに並んだ十数台の街宣車は、デモ隊に対して大音量で罵声
を浴びせ続け、車を降りてきた右翼たちは、歩道側・車道側からひっきりなしにデモ隊へ突入した。彼らによって、蹴られ、押し倒された参加者もいた。さらに彼らは沿道から石のようなものや卵を投げつけ、またペットボトルの水をまいたりした。とりわけ危険だったのは、デモコースの道路をまたぐ歩道橋の上に右翼が陣取っていたことだ。そこからデモ隊に物が飛んできたが、大きな石でも落とされれば、死者が出ても不思議はない状況だった。さらに、ポリタンクに入れた正体不明の液体を、歩道橋からデモ隊に浴びせようとして仲間に止められていた右翼も目撃されている。中身は一体なんだったのか。水であれば、当然止められることはなかったはずである。

横断幕やプラカードは奪われ、破られ、旗棹は折られた。ドラム隊
は「うるせんだよ」と怒鳴られ、蹴られ、楽器を奪われかけた。デモへの右翼の突入を阻止する過程で何人かの負傷者も出た。

とくに、宣伝カーに対する攻撃は激しかった。宣伝カーの前に座り
こんだり、車体を叩いたりする。ドアを開けて乗り込もうとする。バンパーは破損し、後部座席歩道側の窓ガラスが割られた。そこから車内に入り込もうとした右翼は、口に含んでいた水を、運転手らに吹きかけた。運転手への攻撃によって運転を誤れば、人身事故にもつながりかねないだろう。

一連の右翼の暴力によってデモ隊は大きく乱されたが、コールやド
ラムはとぎれることなく、最後までデモは貫徹された。

今回の右翼の暴力が、きわめて計画的なものであることは、彼らが
用意周到にも準備していたさまざまな投擲物によっても明らかである。そしてデモコースと通過時間のタイミングからして、事前に公安警察から情報が流されていた可能性はきわめて高い。警備も右翼を規制するよりも、デモ隊を早く進めさせることに専念し、車道側からデモ隊を押して混乱をより拡大させた。宣伝カーの窓ガラスを壊した右翼も、その場で警察によって身柄をひきはなされはしたが、逮捕されることもなくすまされている。こうした点において、私たちは、右翼にたいして甘く、むしろそれを口実にデモを規制していくという警察のあり方が、あらためて露呈したと指摘せざるを得ない。

「だからこそ、反戦を!」という私たちの声を暴力で圧殺しようと
した右翼たちの行為それ自体に、彼らの戦争や軍事、暴力を賛美する彼らの意志がはっきり現れている。と同時に、私たちは、今回の暴力行為が、たんに反戦運動に対する敵対であるばかりでなく、デモという表現行為全体に向けられた攻撃でもあったということを、再度確認しなければならない。暴力で抗議の声をつぶしていこうとする行為は、とくに3.11以降拡大している、街頭におけるさまざまな政治的表現を分断し萎縮させていこうとする、権力の政治意志と確実に連動しているのだ。だからこそ、右翼とそれを利用した警察のデモ弾圧を弾劾する声を、さまざまな運動を共にする多くの人びととともに、何度でも上げていきたいと思う。

*物損をはじめとした当日の被害(
他団体から借用した宣伝カーの修理費に、最低でも10万円以上かかります)に対して、支援のカンパを呼びかけます。運動つぶしに屈せず、行動を持続していくためにも、ぜひご協力をお願いします。
ご協力頂ける方は、以下の振替口座に、3.18カンパと明記して
ご送金下さい。

郵便振替口座番号 00150-9-466604 

加入者名 反安保実行委員会 


2012年3月31日


3.18集会呼びかけ団体

沖縄を踏みにじるな!緊急アクション実行委員会
戦争に協力しない!させない!練馬アクション
立川自衛隊監視テント村
反安保実行委員会
反天皇制運動連絡会
有事立法─改憲阻止 反帝国際連帯 反戦闘争実行委員会

抗議文 警察は右翼を利用したデモ弾圧をやめろ!


抗議文 警察は右翼を利用したデモ弾圧をやめろ!

警視庁警備部長殿


  2012年3月18日、私たちは、新宿で「だからこそ、反戦を!」集会とデモに取り組んだ。

 私たちのデモは、防衛省先から曙橋にいたる靖国通りで、右翼による激しい妨害と暴力に直面した。

靖国通りに並んだ十数台の街宣車は、デモ隊に対して大音量で罵声
を浴びせ続け、車を降りてきた右翼たちは、歩道側・車道側からひっきりなしにデモ隊へ突入した。彼らによって、蹴られ、押し倒された参加者もいた。さらに彼らは沿道から石のようなものや卵を投げつけ、またペットボトルの水をまいたりした。とりわけ危険だったのは、デモコースの道路をまたぐ歩道橋の上に右翼が陣取っていたことだ。そこからデモ隊に物が飛んできたが、大きな石でも落とされれば、死者が出ても不思議はない状況だった。さらに、ポリタンクに入れた正体不明の液体を、歩道橋からデモ隊に浴びせようとして仲間に止められていた右翼も目撃されている。中身は一体なんだったのか。水であれば、当然止められることはなかったはずである。

横断幕やプラカードは奪われ、破られ、旗棹は折られた。ドラム隊
は「うるせんだよ」と怒鳴られ、蹴られ、楽器を奪われかけた。デモへの右翼の突入を阻止する過程で何人かの負傷者も出た。
とくに、宣伝カーに対する攻撃は激しかった。宣伝カーの前に座り
こんだり、車体を叩いたりする。ドアを開けて乗り込もうとする。バンパーは破損し、後部座席歩道側の窓ガラスが割られた。そこから車内に入り込もうとした右翼は、口に含んでいた水を、運転手らに吹きかけた。運転手への攻撃によって運転を誤れば、人身事故にもつながりかねないだろう。

私たちは、一連のこれら右翼の暴力が、警察による黙認のもとでお
こなわれたばかりでなく、それを口実として警察による不当なデモ規制が強められたことに、強い怒りを持つものである。デモコースに、通過時間のタイミングをはかったように待ちかまえていた街宣車と右翼メンバー。

 警察はそのことを把握していたにもかかわらず、事前に排除することもせず、彼らがデモを攻撃する場所を準備した。右翼たちがデモ襲撃をあらかじめ公言していた以上、彼らの暴力行為が実行されることは明白だったのであり、最悪の場合、多数のけが人が出ることも予想された。まさに、右翼の暴力を警察は黙認したばかりか、その実行に加担さえしたのである。そもそも、デモコースと出発時間に関しても、公安警察から情報が流されていた可能性はきわめて高いと私たちは考えている。

右翼の突入によって引き起こされた「混乱」にあたって、警備は、
突入する右翼を止める制止することはしたものの、警備の外側では右翼は自由に行動させた。それどころか、右翼を規制するよりも、デモ隊を早く進めさせることに専念した。車道側からデモ隊を押して隊列を狭め、その結果車道側の右翼と接触させるなど、警察は混乱をより拡大させた。

宣伝カーの窓ガラスを壊した右翼も、その場で警察によっていった
ん身柄をひきはなされはしたものの、逮捕されることもなくすまされている。目の前で不法行為が行われているのに、警察は一貫して彼らを本気で取り締まろうとはしないのだ。こうした点において、私たちは、警察の目的が、右翼を口実にデモを規制していくところにあったということを、あらためて実感させられた。

いうまでもなくそれは、デモという基本的人権の根幹である表現の
自由の侵害であり、警察権力の、右翼による犯罪行為への加担である。
警察は人権侵害をするな! 当日の警備状況について反省し、謝罪せよ!

2012年3月31日

3.18集会呼びかけ団体
沖縄を踏みにじるな!緊急アクション実行委員会
戦争に協力しない!させない!練馬アクション
立川自衛隊監視テント村
反安保実行委員会
反天皇制運動連絡会
有事立法─改憲阻止 反帝国際連帯 反戦闘争実行委員会

2012/03/20

モンスター26号[集会報告]

2・11反「紀元節」行動

厳しい寒さが一瞬やわらいだ一日だった。穏やかな陽射しを受けながら「一人の逮捕者も、一人の怪我人も出ませんように」とつい願ってしまう。大逆事件から100年以上の時間を経た現代においてもなお、反天皇制を掲げる私たちが身の危険を感じなければならないことこそ、「国民の総意」ではなく、天皇制は暴力によって維持されてきたことを示す。会場である日本キリスト教会館には、「会場を貸すことをやめなければ、若い奴が行って、ぶっ放すぞ」との脅迫電話が入ったという。電話の主を確認することが出来ないので、相手が公安警察か右翼なのかわからない。デモ申請直前にデモコースを変更した。実行委メンバーがその報告を受ける前に、そのデモコースにぴったりのカウンター行動の場所が右翼のブログに載っている。瞬時に警察から情報が流されているということだ。そして、デモコースには「日本侵略を許さない国民の会」「在日特権を許さない市民の会」グループと右翼街宣車との棲み分けがなされている。警察は「ぶっ殺せ!」と叫ぶ彼らのために、明治通りを通行止めにしてまで場所を用意する。「左翼対右翼」という図式などない。そんなものはインチキであると私は言いたい。その図式こそ、警察が書きたいものではなかろうか。そのような土俵で議論することの愚かしさを、警察によって配置された右翼の罵声をあびながら実感する。

戦後日本国家が行き着いた原発災害から、もうすぐ一年だ。あらゆる「危機」の時代。私たちは四つの課題を立て、議論するなかで現在の状況を読み取っていこうと、今回四人の方に発言してもらった。

京極紀子(「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会)による「ポピュリズムの政治?─ハシズムの暴走を止めよう」。桜井大子(女性と天皇制問題研究会)による「『女性宮家』構想という問題」。なすび(福島原発事故緊急会議・被曝労働問題プロジェクト)による「『紀元節』に考える格差・差別と脱原発・反原発」。村上陽子(ゆんたく高江)による「沖縄と天皇制─沖縄文学の視点から」(敬称略)。各人の発言はこれから出る報告集をごらんください。

4人の方はそれぞれの場所から、現在を問題化する。その繋がりの中で、私たちは2・11反「紀元節」行動を無事にやり遂げることができた。参加者80名である。回を重ねるごとに既成事実化され、平然となされる不当な弾圧に対し実行委は警察に公開質問状を提出した。
(桃色鰐/2・11反「紀元節」行動実行委)

モンスター26号[今月の暴言]

また出た。「南京大虐殺はなかった」発言。今までも何回も出ては、そのたびに発言者は撤回したり、周りは事態の収拾にあわてたり、ネトウヨが持ち上げたり。今回の発言者、河村たかし名古屋市長の場合も基本的には同じだ。ただ、彼は撤回はしないという。この南京大虐殺の論議は結局は数の話で終始している。中国側は犠牲者30万人というのを公式な数としているが、日本側は2万人から50万人まで意見が分かれる。河村市長は「30万人という虐殺はなかった」という趣旨にして逃れようとしている。この数の差は明確な証拠がない以上、埋まりようもない。でも、2万人も30万人も大量には代わりはない。暴言である。ではあるが、ともするとそんなことはなかったかのようにしてしまう「日本人」には、「南京大虐殺」の事実を思い出すチャンスかもしれない。このことによってSKE48が公演する予定だった日中共催の文化イベント「南京ジャパンウイーク」が延期になったそうだ。若い人たちにも、どういうことがあったのか、数ではなく事件そのものを知ってほしい。 (貂)

モンスター26号[主張]


右翼と警察の密通を許さない!

2月11日の反「紀元節」行動は、反天連も呼びかけ団体となっている実行委員会の主催で、今年も集会・デモを貫徹した。11日という日付は、3・11を経験して以降、福島原発事故の節目の日ともなっていて、今年の2・11は各地で反原発行動がとり組まれた。私たちの行動はその日と完全に重なるため参加者が少ないのでは、と心配していたが、例年よりも少ないものの80人以上の参加者で集会・デモを行うことができた(「集会の真相」参照)。反天連メンバーもこの日は、午前中代々木公園で行われた「再稼働NO、テントを守ろう」2.11前段集会に参加。午後からの「2・11さようなら原発1000万人アクション全国一斉行動 in 東京」の前段集会という位置づけだったが、私が着いたころには、大勢の人が集まっていた。私たちは反「紀元節」行動の準備のため、途中で抜けたが、午後の代々木公園は、1万2000人が集まった。

3・11原発事故は、原発・放射能汚染そのものの恐ろしさを改めて思い知らされたとともに、格差社会が作りだす多くの社会問題と原発が通底していることを浮き上がらせた。そして、天皇制の前提となる「身分」制度=差別構造が、下層労働者・命を削る仕事を引き受けざるを得ない人々を作りだし、そのことを前提に「富」を作りだす産業・経済システムを容認するこの社会のありようを、反天皇制の視点で広く社会問題化する必要を、私たちは改めて認識することとなった。

「紀元節」とはいわば、この「身分」制度を支える万世一系思想を容認させるための装置としてある。神話に基づく「紀元節」=「建国記念の日」は、天皇制にとってはもっとも重要なイベントなのだ。政府式典がなくなったことに読み取られるように、国家の側がその神話性と合理的な政治システムとしての天皇制の整合性に苦労しているのは事実としても、だ。今年は3・11以降初めての反「紀元節」であったが、集会の主要な課題は、あらためて差別構造の元凶としてある天皇制批判の色が濃いものとなったといえる。

当日は、毎度のことだが右翼の妨害と警察の不当なデモへの介入があった。今回も実行委と警察以外は知りようもないデモコースは、つねに右翼に先取り的に占拠されていた。今回もデモ申請したその夜には、私たちの行動に対するカウンター行動を呼びかける右翼のブログに、デモ申請の内容を把握しているとしか思えない、正確な集合時間と彼らの集合場所が明記されていた。ブログにある「反天連は16時頃出発予定です」とは何を根拠に書いているのか。警察が情報を流し、右翼側と打ち合わせをし、デモコースの両側に右翼街宣車を数十台も停めさせ、私たちのデモに暴力的な妨害をしかける場所を与えている、と私たちがそのように考えるのはあたりまえではないのか。

実行委は3月2日、デモ申請を行った警視庁戸塚警察署に公開質問状を提出し申し入れした。申し入れは戸塚署だけだが、宛名は警視庁警備部長・同戸塚署長・同新宿署長の三者で、後日送付した。この行動については2・11行動とともに実行委の報告(ニュースレター)で報告する予定だ。警察の今後の対応を含め、ぜひ注目してほしい。 

白昼堂々行われる右翼の無法で暴力的な妨害、それを取り締まるという口実で出てくる警察が、実際はそのお膳立てをしているという茶番のような構造。この排外主義・暴力的な言論と行動を繰りかえす右翼と、それを構造的に守りつづける警察、その警察が守る天皇制社会。反天皇制の運動はこれらとの対峙を避けてはできないのだということを、改めて認識させられるのだ。こういった問題をも反天皇制の運動を通して明らかにしていきたい。

橋下率いる大阪維新の会の躍進や、最近の河村たかし名古屋市長の「南京事件はなかった」発言など、この国の社会全体の右傾化が一段と進む中で自民党は「天皇の元首化、自衛軍保持、国旗国歌の尊重規定」を盛り込んだ「憲法改正原案」を今国会に提出するという。成立の見通しはないとのことだが、今の橋下ブームに乗り、今なら、「ひょっとして受け入れられるかも」的なことなのか、とりあえずぶちあげておいて、最終的にはその改憲案の中から少しでもとり入れられればという思惑なのだろう。この改憲案、そして女性宮家問題、3・11国家による東日本大震災追悼式への天皇の出席などの動向をしっかりと見極め反天皇制の声をあげていきたい。

反天連も参加している反天実行委は4月29日の反「昭和の日」行動の準備を進めている。前日の28日には、反安保実行委と共催で「60年目の『沖縄デー』に植民地支配と日米安保を問う」集会をもつことになった。ヒロヒト賛美の歴史偽造の「祝日」を許さない4・28─29連続行動へ結集を! また、反天連は他団体と共同して、3・18「だからこそ、反戦を!」集会とデモを呼びかけている。3・11の国会包囲行動もある(インフォメーション、チラシ参照)。鈴なりの行動であるが、多くの方の参加を呼びかけたい。  
                                                 (上平学)

2012/03/19

反天皇制運動 モンスター26号(通巻332号)

  2012年3月6日発行

 【扉】(宮)
 【主張】右翼と警察の密通を許さない!(上平学)
【貝原浩のあの時この時】Can you forgive them?(天野恵一)
【状況批評】福島原発事故から一年・・・・・・運動バッシングについて(近藤和子) 
【反天ジャーナル】・「当たり前~にびっくり」(戦闘的ゴジラ主義者)   ・「知る権利」が奪われる!情報隠しの「秘密保全法」(なかもりけいこ)   ・「東電撤退」拒否と民間事故調の怪(微笑女)
【書評】「日の丸・君が代」強制反対ホットライン・大阪編『だれのための「教育基本条例」なんですか?』(梶川涼子)
  【ネットワーク】連続講座「運動史から振り返る原発と原爆」にご参加を(山口響)
【野次馬日誌】2月2日~3月1日
【集会の真相】2・11反「紀元節」行動(桃色鰐/2・11反「紀元節」行動実行委)  ・2・15防衛省ど真ん中前デモ報告(村山森哉/沖縄を踏みにじるな!緊急アクション実行委員会)  ・2・25「日の丸・君が代」の強制を跳ね返す神奈川集会とデモ報告(大友深雪/「日の丸と君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会)
【反天日誌/集会情報/神田川】


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