2013/03/15

やってる場合か! 東京国体 日体協デモ


●今年9月28日に開会する国民体育大会・東京大会(東京国体)。総予算1000億円以上を使って行われる「我が国最大のスポーツの祭典」。
 だが今、一体どれほどの人が国体を待ち望んでいるだろうか?観客数は減少の一途。生徒・児童や町内会を動員しての「応援ボランティア」なる珍妙なものまで繰り出して、なんとか体裁を保っている始末。こんなこと、やってる場合じゃない!

●国体を主催するのは、東京都・日本体育協会(日体協)・文部科学省。そのうち国体の維持/拡大にもっとも力を注いできたのが日体協だ。
 「アマチュアスポーツの総本山」として各地のスポーツ団体を統括する公益法人・日体協。だがその前身は、かつての天皇制ファシズム下でスポーツを通じた国民動員に協力した大日本体育協会である。大日本体育協会は戦争協力を露骨に打ち出した「明治神宮国民体育大会」を開催していた。

●戦後彼らは〈日体協〉と名称を変え、明治神宮大会も国民体育大会として再出発した。そして、国体を「我が国最大のスポーツの祭典」とするために、日体協が渇望したのが天皇の開会式への出席だった。象徴天皇制としての再出発を目指した天皇制も、渡りに船とばかりにとびついた。
 以降60数年間。天皇は幾度かの例外を除いて、国体に「ご臨席」し続けている。総合優勝県に与えられる優勝杯は「天皇杯」と名づけられ、天皇杯を目指して不正な選手獲得競争や審判の八百長が続いている。

●天皇という「錦の御旗」を手にした日体協は、地方自治体に無理難題の会場整備を要求し、肝心の「国体改革」も掛け声倒れ。利権や汚職にまみれた日体協に、「一人ひとりの豊かで活力のある暮らし(日体協策定『21世紀の国民スポーツ振興策』)」をうんぬんする資格は一切ない。
 「錦の御旗」を振るヤツがいる限り、そしてそれに付いていくヤツがいる限り、国体は終わらない。3月31日、国体の総本山=日体協に迫るデモへ!いざ!


【日時】2013年3月31日(日) 午後3時集合 3時半デモ出発
【集合】宮下公園(渋谷駅5分)

※日体協本部のある岸記念体育会館へ向けてデモをします!

【主催】やってる場合か! 「スポーツ祭東京」実行委員会

2013/03/06

カーニバル0号[集会報告]

2・11反「紀元節」集会
2月11日、日本キリスト教会館で「安倍改憲政権を許すな!反『紀元節』行動」が行われた。主催は同行動実行委員会。
反改憲運動通信の国富建治さんから、昨年4月の「自民党改憲案」(http://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/seisaku-109.pdf)と「改憲案Q&A」(http://www.jimin.jp/policy/pamphlet/pdf/kenpou_qa.pdf)を素材に、改憲の狙いと問題点が指摘された。9条はもちろんだが、前文の全面的改変から天皇元首化に始まり、基本的人権を「公益」「公の秩序」の下位に置くなど、国家権力を制約する最高法規という憲法の本質的な定義が覆されようとしていることが強調された。   
一坪反戦地主会関東ブロックの下地厚さんからは、1月27・28日に行われたオスプレイ配備撤回と普天間撤去をめざす行動の報告がなされた。こうした行動が、超党派の市町村首長・議員や各種団体が一体の取組みとなるほどの、沖縄の憤りと政治状況が説明された。辺野古の公有水面埋め立ては、安倍訪米以後ますます急がされており、あらゆる面からこれと対決せねばならない。  
福島原発事故緊急会議のUさんからは、原発事故が3・11追悼式典により「脱政治化」されようとしており、これに対応するものとして「アベノミクス」や「国境問題」などが「政治化」されているという問題が提起された。原発と原発による被曝を、「国家による暴力」として対象化することが、現在の反原発運動には必要だという指摘がなされた。  
反天皇制運動連絡会ののむらからは、右翼団体による直接暴力と、これを利用する治安権力、さらに事実を歪める報道やデマ情報などが複合して、この間の運動体・個人への弾圧が拡大していること、こうした中でさらに「社会不安」の喧伝と治安法の準備が進んでいることが報告された。  
連帯アピールは、関西大弾圧救援会・東京の会、「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会、やってる場合か!「スポーツ祭東京」(東京国体)実行委員会、日韓民衆連帯全国ネットの4団体。 
 集会の終了後、早稲田通りから明治通り、大久保通りを経由するデモに出発。在特会や街宣右翼らによる妨害に乱されることなく、この日の行動を終えることができた。参加者は一三五人。
(nomad)

2013/03/05

反天皇制運動連絡会 第9期への呼びかけ(2013年2月)



反天連第8期のスタート(2009年12月)は「政権交代」の時期に重なった。それをふまえ、私たちは次のような呼びかけ文を発した。


「……第8期への呼びかけを発しようとしている今、状況は激変している。その極右むき出しの安倍政権は、中国・韓国などのアジア諸国との関係はもちろん、自分たちの親分であるアメリカとの関係までブチこわしにする侵略・植民地支配自己正当化のイデオロギーをふりまわして、短期に自滅した。その後福田そして麻生と自民党短命政権は続いたが、ついに選挙で民主党が大勝ちして鳩山政権が成立するという局面が、今、うまれているのだ。これは大きな変化である」。

もちろん、この時においても私たちは、右翼自民党の敗北と「
リベラル」民主党の勝利に期待する文脈で、そのように書いていたわけではない。

「権力政党自民党が権力からころがり落ちることで、右翼は『上』
と直結するスタイルから、横に大衆化する方向へ転換しだしている。これが未来に何をもたらすのか、私たちは『右翼の時代』が終わったのではなく、その時代が新しい段階(局面)をむかえつつあるのだという状態の本質を、しっかり見すえて、運動をスタートさせたいと考えている」。

まさに民主党政権の時代に、
私たちの参加する反天皇制運動のデモが、右翼に攻撃される事態は日常化し、この「横に大衆化する」右翼との対決は、反天皇制運動のみならず、多くの社会運動がつねに強いられる現実になってしまった。それでも、この時点で私たちは、民主党による象徴天皇制の「リベラル」な利用が進むだろうと考え、その点に危機意識を向けていたことは確かである。

「もちろん『リベラル』民主党は、
象徴天皇制を強化しフル活用しようという政党である。右翼との対立という側面(それは今後さらに激化していくことはまちがいあるまいが)にのみ注目し、その事を見落とすわけにはいかない。右翼と切れる(あるいは党内の右翼を押さえ込む)ことで民主党は、象徴天皇の政治活用のフリーハンドを手にしようとしているのである。ソフト・イメージの〈アキヒト─ミチコ〉天皇制は、その意味では民主党政権の方にマッチしている。こちらの方こそ、私たち反天皇制運動の正面の敵ともいえよう」。

つまりは、象徴天皇制は「
二つの対立的な政治意思に同時に担がれている」が、その「二重構造は近代天皇制国家を貫徹している支配の様式」でもあるのだから、原則的な天皇制批判の継続こそ、この「敵の分裂的状況」において必要であると論じていたのだ。

実際、民主党政権初期、鳩山の時代には、
普天間基地問題をはじめとして、自民党時代の「対米従属」路線から一定の距離をとり、対アジア外交を重視しようとする志向が見えた。しかし、それは官僚、自民党や主流マスコミも含めた「日米同盟こそ基軸」という声に押しつぶされ、挫折を余儀なくされた。それとともに、一定存在していた「リベラル」色を大きく後退させ、中道右派から新自由主義・保守路線への道を歩んでいくことになった。こうして民主党政権は「有権者」の一定の期待も失い自滅していったが、他方で下野した自民党は、民主党との対決色を鮮明にする中で右翼色を強め、それが安倍極右政権の再登場を押し上げた。議会内においても、「革新」や「リベラル」勢力が凋落し、右から安倍を突き上げる日本維新の会が躍進した。すなわち、政権交代から三年たって安倍政権が再登場することとなったが、それは単なる回帰ではないのだ。

安倍政権は、昨年末の選挙公約において「天皇元首化」
などを掲げる「改憲」を明記した。そして、日本の伝統や「強い国」を強調して、教育などを通して国家主義的・天皇主義的な歴史認識を浸透させようとしている。「日米同盟強化」のために、沖縄への基地押しつけをさらに強化し、「集団的自衛権」行使の容認へ踏み出そうとしている。「領土問題」などで中韓への強硬な姿勢をとり、「村山談話」は踏襲すると言いつつ、新たな「談話」を出したいとする。さらに、事故を起した原発からはいまだに膨大な放射性物質が垂れ流され、多くの地元被災者が「棄民化」されつつあるのに、原発の再稼働に突き進もうとしている。また、しきりに「復興」をいうが、それも当事者住民を無視した、ゼネコンを潤すだけの政策でしかない。そして、右翼も利用しながら、信じがたい理由をつけて、さまざまな運動への弾圧を強めている。

これらのすべては、三年前の想像を超えている。
こうした状況の中で、第九期を開始しようとしている私たちの課題は、したがって、この親米極右の安倍改憲政権との正面からの対決を掲げるものとならざるをえないだろう。安倍極右政権の登場で、「右」の顔を正面に向けた政治のサイクルが再び強まることは疑いがない。しかし、それがそのまま、右翼的・神権主義的な天皇制の強化に繋がると考えるべきではない。国家の機構でありながら、それとは独立して超然と存在しているかのようにふるまう象徴天皇制は、そのふるまいにおいて、文化的・平和的な場面における民衆統合の装置であり続けるだろう。この意味において、政治的な天皇制の二重構造は、依然として存続し続けているのだ。それゆえに私たちは、運動の中においてさえ繰り返し登場する「リベラルな天皇への期待」なるものをも批判していかなければならない。そしてそれは、多くは8・15、さらには3・11などに象徴される「追悼の政治」の場面において発動される天皇制の批判ともなるだろう。

 しかし私たちの運動力量は圧倒的に不足している。
私たちの運動が、私たちの活動に協力して下さる多くの方に支えられることはもちろんだが、さらに、さまざまな運動との相互の協力関係を広げていくことなしに、それを進めていくことは不可能である。このこともまた、九期の課題である。

一人でも多くの方の参加、協力、支援をお願いします。
                                                                     (反天連事務局)

第Ⅸ期・反天皇制運動連絡会【設立目標】

【設立目標】

(1)「全国戦没者追悼式」や「震災追悼式」をはじめとする、マス・メディアに支えられた国家による追悼儀礼、天皇出席の国体・植樹祭・海づくり大会などの天皇儀礼、「皇室外交」や「昭和」の賛美などと持続的に対決する大衆的な反天皇制運動をつくる。

(2)「天皇元首化」や「日の丸・君が代」を明記し、立憲主義を否定する国家主義的な改憲策動と対決する。

(3)原発推進、「日米同盟」の強化、「恒常的派兵」国家化などに向かう日本政府の動きと対決し、各地の反原発・反安保・反基地運動と「連帯」しうる反天皇制運動をつくる。

(4)天皇制国家の植民地支配責任、戦争・戦後責任、「領土ナショナリズム」や差別・排外主義を撃つ闘い、治安弾圧、「日の丸・君が代」強制、天皇制の安定継承のための皇室典範「改正」、教育の国家による統制などに抗する運動などとの豊かなネットワークづくりと、他のテーマの運動との有機的連携を作りだす運動のメディアの強化

(5)予想される明仁天皇「Xデー」および「Xデー」状況との闘いを準備する。

(6)80年代からの反天皇制運動の歴史的な体験を思想的に対象化する作業の持続。
                                          

反天皇制運動 カーニバル0号(通巻343号)

反天連機関紙 カーニバル0号  2013年3月5日発行


 【扉】 (天野恵一)
 

【野次馬日誌】 2月1日~2月28日


【集会の真相】 入門講座 なぜ天皇制はいけないか (加藤匡通/戦時下の現在を考える講座(仮))

                   子供の危機・教育のいま2013(星山京子/キリスト教事業所連帯合同労働組合)

                    2・11「反紀元節」集会(nomad)

                    「日の丸・君が代」の強制を跳ね返す2・17神奈川集会&デモ(大友深雪/神奈川の会)


【反天日誌】

【集会情報】

【神田川】



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