2012/04/18

モンスター27号[反天ジャーナル]

瞳を閉じて翼広げたら危ない?

東京も桜が満開、やっと身体が楽になってきたね。ちょっと前から気になってたのが、巷に「さくらソング」がいっぱいあること。桜が咲くと確かに浮かれたような気分になるのはわかる。それを歌にしたくなる気持も商売なのも、まぁ、わかる。けど、ありすぎ?

最近、こんな記事を目にした。「最近、紋切り型のJポップ歌詞が増えている気がしませんか?」。

大震災以後、マスコミでは「絆」や「つながる」という言葉や「頑張れ応援歌」が氾濫していて、居心地のわるい気分にさせられていたけど、その記事によると、なんと昨年の紅白歌合戦では、「出場歌手55組のうち、10組以上が〈信じて〉〈信じたい〉などのフレーズを歌った」そうだ。「シュールでとんがった表現より、大味でみんなが共有できるベタなアンセム(賛歌)が求められている」とも。ホントにそうかぁ?

ネット上では「翼広げ過ぎ」「瞳閉じ過ぎ」と批判がいっぱいあるそうだ。もし若い人たちがそう感じているのだとしたら、それは喜ばしいことね。そういうのが平気ってことは、考え方がステロタイプになってるってことだもんね。む〜 あたしも気をつけよっと。

【たまにはカラオケいきたい】

モンスター27号[主張]

原発再稼働阻止、
そして「植民地支配と日米安保を問う」連続行動へ!

原発再稼働をめぐる動きが急だ。4月6日、関係四閣僚は会合を開き、停止中の原発を再稼働させるための、きわめて甘い「安全対策の暫定基準」を決めた。そして近く関西電力大飯原発の安全宣言を行い、枝野経産省が再稼働要請のために福井県を訪問するというのだ。このニュースが手許に届く頃にはもう終わっているはずだが、4月11日には、「原発ゼロへ! 止めよう再稼働」を掲げた国会への要請行動とデモが予定されている。野田政権の再稼働政策を許さない声を、引き続き大きく上げていこう。

すでにひと月近く前になってしまったが、3月11日、私たちは、反天連も参加している福島原発事故緊急会議の枠で、3・11再稼働反対! 全国アクションによる「国会囲もう! ヒューマンチェーン」と、それに続く首相官邸前アクションに取り組んだ。この日は、首都圏でもさまざまな取り組みがあったが、この行動は、それらが大きく合流していく場として設定され、一万人を超える人びとが国会を「人間の鎖」で囲んだ。

しかし、これらの行動についてのマスコミの扱いはきわめて小さなものだった。前面に出ていたのは「追悼」である。それは、3・11の意味とは、震災とそれに続く津波で、たくさんの人びとの命が失われたということのみであり、したがって、反原発デモなどせずに、「全国民」は静かに祈りを捧げる日であるべきだ、と黙示的に主張しているかのようにみえた(実際、運動の中でさえ、そのように主張する人びとは少数ではあれ現実に存在した)。もちろん、原発の事故から一年でもあるこの日を、反原発の日にさせないための政治的な意志がそこに働いていたといえば言い過ぎだろう。そうではなく、多くの人の死という厳粛な事実を前にしてたじろがざるをえない当然の感情がこのように集約されたのであり、国家による「追悼」とはひとえに、それを政治的に組織することによって、国家の責任を解消させていくシステムであったと言わなければならない。

この、天皇も出席した政府による追悼式典の問題については、本紙「あにまる談義」や「皇室情報の解読」など別稿を見ていただきたいが、「病をおして」述べた天皇の「おことば」が、野田首相の式辞などと比べて踏み込んだ内容を持っていたことにもあらわれているように、象徴天皇制の政治的機能が、きわめて高度に発揮されたイベントであったことだけは間違いない。私たちは、引き続き、この式典がつくりだした政治的な意味、そして、そこで天皇制が果たした役割を批判していかなければならない。
ところで、国家的レベルで行われる儀式としての「追悼」が、社会的に過剰な「同調圧力」をもたらしたとすれば、それを戯画的な姿で表現したのが、街宣車の右翼たちだったろう。3・11のこの日、私たちもさまざまな右翼の罵声を浴び続けたが、彼らは「国民こぞって追悼すべき日に反原発のバカ騒ぎする反日極左」などとしきりにがなり立てていた。だが、そう言うなら自分たちこそ静かに家に籠もって「追悼」すべきである。2時46分に彼らが何をしていたのか知らないが、死者を利用して運動叩きに使っているだけの彼らの本質が、明白に示されたエピソードではある。

しかし、ただそれを嗤っていればいいということでは、やはりすまない。毎号、同じようなことばかり書いているようで気が引けるが、この間の右翼の突出、そしてそれを理由とした警察の規制のひどさである。3・11の「原発推進・天皇出席の震災追悼式典やめろ集会実行委員会」のデモに対する街宣右翼の妨害もひどかった。しかし、3・18の「だからこそ、反戦を!」デモに対する右翼によるデモ襲撃は、この間の右翼の暴力行為の中でも、最も悪質なものの一つであったと言っていい。この集会は、反天連も呼びかけ団体の一つとして名を連ねていたが、デモでは靖国通りに並んだ十数台の街宣車が、歩道側・車道側からひっきりなしにデモ隊へ突入してきた。彼らは沿道から石のようなものや卵を投げつけ、宣伝カーの窓ガラスが割られた。3・18の実行委員会では、これらに対する抗議と、物損への支援のカンパを呼びかけている(ブログ参照)。ぜひ、ご協力下さい。

そして、反天皇制運動の実行委員会としては、今年も4・29反「昭和の日」行動を準備している。前日の28日には、昨年に続き反安保実行委員会と共催で講演集会を持つ。今年はサンフランシスコ条約発効から60年、沖縄の「復帰」40年にあたり、健康問題でどうなるのかわからないが、秋には天皇の沖縄訪問も予定されている。私たちとしては、4・28〜29を、日本の「植民地支配と日米安保を問う」ための連続行動としてとりくむつもりだ。これも詳細は、同封チラシを見てほしい。連日さまざまな行動が予定されている。われわれもその課題を共有しつつ、できるかぎり共に取り組んでいこう!

(北野誉)

モンスター27号[扉]

大飯原発の再稼働をめぐっての報道をみるにつけ、どんどんげんなりしてくる。そもそも、「政治判断」で再稼働するためのプロセスなのだから、こうなることはなんとなくわかってはいたけど。あんなインスタントにでっちあげた「安全基準」を4人の閣僚が議論をして了承する、って訳わからん。そして藤村官房長官は、「定期検査で検査中の発電所の再稼働について、何らかの法律などの枠組みで同意などが義務づけられているわけではない」と言った。まったく人を食った発言としか思えない。

1年前、日本中の多くの人びとはあの大事故に恐怖を覚え、そして原発はダメだ、今すぐ「廃炉へ」と大きく動きだした。あの事故は他国の政策さえ変えたのだ。なのに! この国の政治家たちは、いったい何を大事に思っているのか。「国益」と称する利権か? 安倍晋三は「再稼働は必要だ。原発を止めてガス・石油に頼るとコストがかかる。日本が資源がない中において、安定的に発展をしていく経済成長した結果、今の社会保障の制度を積み上げる事ができた」と言い切った。積み上げたものはもうすでに崩れているし、どうやっても「安定的に発展していく経済成長」など、もうあり得ない。

この再稼働について、橋下大阪市長はかなり強い口調で反対していた。こういうスタイルが人気になるんだろうなぁ。6日付け朝日新聞朝刊では、「大阪市の理解を得ないまま再稼働に踏み切ってしまえば、橋下氏を敵に回して世論の支持を失いかねない状況だ」ときたもんだ。あぁ、もうサイアクだ。ホンキで日本人をやめることを考えたくなる。

ん? ここは「暴言」のコーナーじゃなかったか。

(ななこ)

2012/04/12

反天皇制運動 モンスター27号(通巻333号)


2012年4月10日発行


【動物(あにまる)談義】 "3・11追悼式典"の巻
 
【状況批評】 2×2=4、1+1=2(池田浩士)

 
【反天ジャーナル】 ・瓦礫問題雑感(まおう鳥)   
          ・イラン攻撃の秘密戦争ゲーム(核)  
【書評】 北九州ココロ裁判原告団編『「君が代」にココロはわたさない 学校現場に内心の自由を求め、「君が代」強制を憲法に問う裁判のあゆみ(北村小夜)

 【太田昌国の夢は夜ひらく】25  「海上の道」をたどる軍事力の展開―70年前の史実と、現在と―(太田昌国)

【皇室情報の解読】 天皇中心とする「祈り共同体」=「無責任の体系」にNOの声を!(天野恵一) 
 
【野次馬日誌】 3月2日~4月3日
【今月の暴言】⑮

【集会の真相】 ・3・11原発ゼロへ!国会囲もうヒューマンチェーン 
・3・11原発推進・天皇出席の震災追悼式典―全国一斉黙祷反対!(野村/3・11原発推進・天皇出席の震災追悼式典やめろ実行委)
・「82年『反核フィーバー』とは何であったのか」(「運動史から振り返る原発と原爆第2回」) 

 【反天日誌/集会情報/神田川】


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2012/04/11

4・29植民地支配と日米安保を問う ― 反「昭和の日」集会とデモ



今年の反「昭和の日」行動は、サンフランシスコ講和条約発効から60年の4月28日
に、戦後の日本が通ってきた歴史的現実を踏まえながら、沖縄の現在や、私たちの目の前にある問題を考える講演集会を反安保実行委員会と共催で持つ。
そして4月29日。昭和天皇ヒロヒトの誕生日であるこの日。今私たちが考えなければいけない課題は、押しつぶされそうなくらいたくさんある。だが、 その課題のひとつひとつを突き詰めていくと、敗戦後の天皇制をはじめとする「昭和」の歴史にその根っこが見えてくる。今回はそんないろんな課題をたくさん 集めて語ってもらう。そのなかから、「昭和」の歴史、ヒロヒトおよび天皇制がになってきたものを再検証するような集まりとしたい。


日時 2012年4月29日(日)  
   
     午後1時半開始

場所 日本キリスト教会館4F
     (地下鉄東西線早稲田駅3b番、2番出口から徒歩5分)
     
    8分間スピーチ 反戦・反基地・反自衛隊
              反ナショナリズム/反日の丸・君が代
              反原発/反改憲/反安保/反弾圧・・・・・
     集会後デモ

資料代 500円

主催 反「昭和の日」実行委員会
  http://2012429.blogspot.jp/

【呼びかけ団体】アジア連帯講座/アンポをつぶせ!ちょうちんデモの会/キリスト教事業所 連帯合同労働組合/国連・憲法問題研究会/立川自衛隊監視テント村/反天皇制運動連絡会/「日の丸・君が代」強制反対の意思表示の会/靖国・天皇制問題情 報センター/労働運動活動者評議会
    

60年目の「沖縄デー」に植民地支配と日米安保を問う - 4・28集会

 4・28~4・29連続行動
60年目の「沖縄デー」に植民地支配と日米安保を問う
 
講師
新垣 誠さん(写真家、沖縄NGOセンター代表理事)
「『本土復帰』40年と沖縄の現在」

太田昌国さん(編集者、民族問題研究者)
「戦後日本国家と継続する植民地主義」

[日時]2012年4月28日(土) 午後6時開始
[場所]文京区民センター・2A会議室(地下鉄・春日駅/
後楽園駅)


 主催:反安保実行委員会+反「昭和の日」実行委員会

  
 侵略戦争の敗北そして6年半にわたる占領を経て、1952年4月28日、日本は再び独立した。
 しかし、サンフランシスコ講和条約は、ソ連、中国、台湾そして朝鮮半島の国が加わらない「片面」であり、その内容は、旧植民地出身者を日本国籍から一方的に切り捨て、さらに、沖縄戦以降、米軍占領下に置かれ続けた沖縄をアメリカに「法的に」に「売り渡す」ものであった。沖縄では、米軍の「銃剣とブルドーザー」による大規模な土地接収が50年代に強行され、米軍基地の整理縮小が進んだ「本土」とは対称的に過酷な基地負担を背負わされることになるのである。さらに、東南アジア諸国に対する日本の戦後賠償も東西対立下のアメリカの戦略によって切り縮められた形の講和となったのである。
 大日本帝国(天皇制国家)による植民地支配・侵略戦争の反省や補償のスタートとなるべき敗戦・占領からの「出口」は、かくも大きな問題を孕むものであった。そしてそれらは、60年経った今日までも解決のされない大きな課題として私たちの前にある。
サ条約発効から60年の日、この戦後の歴史を踏まえながら、現前の問題に取り組むべく講演集会を持つ。そしてそれは、翌日の「昭和の日」に真に記憶されなければ「昭和の歴史(=ヒロヒトの戦争・戦後責任)」と密接に結びつくものでもある。
是非ご参加を!

2012/04/09

植民地支配と日米安保を問う  4・29反「昭和の日」行動実行委員会へのよびかけ

植民地支配と日米安保を問う
 4・29反「昭和の日」行動実行委員会へのよびかけ

 震災・津波、そして東京電力福島第一原子力発電所の事故より1年目がすぎた。事故の処理はなにひとつ満足な解決をみていない。福島県はもとより、それ以外の地域でも至る所に被害は及んでいる。被害者は当たり前の暮らしを取り戻すことさえまだできていないし、そのための賠償問題も遅々として進んでいない。1年目の3月11日、政府主催による「東日本大震災一周年追悼式」が、天皇夫妻の出席のもと行われた。病気をおしてまで出席した天皇の役割とは、優しい微笑みの裏で事故の責任者を名指すことを回避し、被災者に我慢を強い、さらに原発再稼働という政治意思に示されているような震災前の「秩序」へと、社会を再び統合していくことでしかない。3月11日、震災と原発事故がおきたこの日を、政府とマスコミは、ただ震災とそれによって生み出された死者「のみ」を追悼する日として組織した。事故や放射能について口にした天皇の「お言葉」も、国家による追悼の空間に、すべての「国民」を集約するものとして発せられたのである。戦争責任をとらないまま毎年8月15日に「全国戦没者追悼式」が行われていることと同じ構造が新たにつくられていくこと、また3月11日という日が、新たな「慰霊の日」となることに、私たちは憤りを感じざるをえない。

 まもなく、昭和天皇ヒロヒトの誕生日である4月29日、6回目の「昭和の日」がやってくる。今年は1952年4月28日のサンフランシスコ講和条約が発効されて60年目にあたる。ヒロヒトは自らの名で侵略と植民地拡大のための戦争を遂行し、沖縄戦の最中に米軍に占領された沖縄に、長期にわたって米軍が駐留を希望するメッセージを、政府の頭越しにアメリカの国務長官クラスに送るなど暗躍し、安保体制の枠組みを作りだした。敗戦後、サンフランシスコ講和条約によってそれは明文化され、日本の「独立」と引き替えに、今現在に至るまで沖縄の人々は米軍による好き勝手な土地使用に苦しめられることとなった。米軍の「銃剣とブルドーザー」による大規模な土地接収が強行され、米軍基地の整理縮小が進んだ「本土」とは対称的に過酷な基地負担を背負わされることになるのである。さらに、東南アジア諸国に対する日本の戦後賠償も、東西冷戦下のアメリカの戦略によって切り縮められた、日本の経済進出の足がかりとなるかたちでの講和となったのである。本来であれば大日本帝国(天皇制国家)による植民地支配・侵略戦争の歴史を清算し、反省や補償のスタートとならなければならなかった敗戦・占領からの「出口」は、かくも大きな問題を孕むものであった。

 そして今年は沖縄が「本土復帰」してから40年という年でもある。「本土復帰」後の沖縄は、日本の「国内植民地」とも言える状態でアメリカ・日本の戦略に組み込まれている。このことに規定された今日の基地問題、地位協定の問題など、解決されない大きな課題として私たちの前にある。

 今年の反「昭和の日」行動は、サンフランシスコ講和条約発効から60年の4月28日に、戦後の日本が通ってきた歴史的現実を踏まえながら、沖縄の現在や、私たちの目の前にある問題を考える講演集会を反安保実行委員会と共催で持ち、翌日29日には「昭和」の歴史(=ヒロヒトの戦争・戦後責任)に向きあい、発言し、行動する、28~29日の連続行動を予定している。多くのみなさんの参加と賛同、協力をよびかけたい。

植民地支配と日米安保を問う 4・29反「昭和の日」行動実行委員会 
  http://2012429.blogspot.jp/

【呼びかけ団体】アジア連帯講座/アンポをつぶせ!ちょうちんデモの会/キリスト教事業所連帯合同労働組合/国連・憲法問題研究会/立川自衛隊監視テント村/反天皇制運動連絡会/「日の丸・君が代」強制反対の意思表示の会/靖国・天皇制問題情報センター/労働運動活動者評議会