2012/06/01

モンスター28号[集会報告]


4・28─4・29連続行動

1952年4月28日のサンフランシスコ講和条約が発効されて60年目、沖縄が「本土復帰」してから40年という年にあたる今年の反「昭和の日」行動は、4月28、29日の連続行動として行われた。まず28日には、沖縄から新垣誠さん(写真家、沖縄NGOセンター代表理事)、太田昌国さん(編集者、民族問題研究家)をお迎えして、反安保実行委員会との共催で「60年目の『沖縄デー』に植民地支配と日米安保を問う」と題して行われた。写真家でもある新垣さんは、たくさんの写真をスクリーンに映しながら、昨年末からの名護市辺野古の環境影響評価書(アセスメント)を沖縄県庁提出をめぐる地元の方たちのほのぼのとした、でも粘り腰の運動についての報告、ツイッターやフェイスブックで駆けつけた若い世代に芽生えている新しい動きに注目していると話された。

太田さんは「戦後日本国家と継続する植民地主義」というテーマで、世界と日本の植民地支配の歴史、東西冷戦構造について語り、特に日本が敗戦後から現在まで向き合わないですませてきた事実を話された。それでも、1990年前後からヨーロッパで始まった過去の検証、2001年に行われたダーバン世界会議では、欧米諸国と奴隷・植民地主義の犠牲となった国々が話し合うなど、少しずつではあるが侵略・植民地主義・人種差別の克服に関して、「ここまで来た」と前向きに考えることも必要だと話された。80名参加。

翌29日は、「植民地支配と日米安保を問う」というテーマで、さまざまな運動団体で活躍されている13名のみなさんに8分間スピーチをしていただいた。一見バラバラのテーマのように見えるが、その底流に流れているのは敗戦後の日本が抱えている矛盾、サンフランシスコ講和条約、日米安保、そして天皇制の問題が立体的にみえてくるのでは、という企画だった。発言者は、国富建治さん(反安保実行委員会、28日の集会報告)、佐野通夫さん(『高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会)、木元茂夫さん(すべての基地にNO!を!ファイト神奈川)、中森圭子さん(盗聴法に反対する市民連絡会)、宮崎俊郎さん(反住基ネット連絡会)井上森さん(立川自衛隊監視テント村)、アツミマサズミさん(東京にオリンピックはいらないネット)、上原成信さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)、藤田五郎さん(山谷福祉会館活動委)、田中聡史さん(板橋特別支援学校「君が代」不起立者)、丹羽雅代さん(女たちの戦争と平和資料館)、梶川凉子さん(反改憲運動通信)、天野恵一さん(福島原発事故緊急会議)。

集会後のデモは、2・11のデモに関して抗議文を警察に対して出したりしたが、その効果があってか、警察の右翼に対する警備が「強化」されていて、デモ自体は久しぶりに静かなデモだった。だが、右翼による集会会場への攻撃や解散地点での襲撃、また公安による写真、ビデオ撮影など、私たちの表現の自由を守る闘いは今後も続きそうだ。集会・デモ参加者100名。
(中村ななこ/反「昭和の日」行動実行委員会)