2012/06/01

モンスター28号[今月の暴言]


風岡典之宮内庁次長は7日の記者会見で、ミチコ皇后は「身位(身分や地位)を考慮され、陛下とご一緒の方式はご遠慮すべきだとのお気持ち」と伝えた。大きく報道された「天皇の埋葬は火葬で合葬を検討」に続く記事で、要するに「身分違いなので合葬は遠慮しますわ」という皇后の話。宮内庁は対応として、天皇の墓(「墳丘」)の脇に皇后用の小規模な墓をつくって合葬に近づけるとか。いやはや……。

前近代的な家父長制価値観で動く皇室のトップにある天皇夫婦は、「国民に寄り添い」「平等と平和を願い」、と新しい天皇像を模索し続ける演出もしてきたが、しかし結局最後はこれだ。身分制に生きる者は自らをも差別し、人にも当たり前に強要する。現在的な日本人的感覚を演出するならば、二人仲良く墓に入る、くらいはやりそうなものを、差別構造だけは崩せないのだなあ。いずれにしろ大規模な墓はつくられる。身分制度と税金の無駄遣い。迷惑な話である。
(木菟)