2013/11/15

[反天連集会] 安倍政権と象徴天皇制の変容


[2013反天連集会]安倍政権と象徴天皇制の変容

▼日時
2013年12月23日(月)
午後2時15分開場

▼場所
日本キリスト教会館4F会議室
地下鉄早稲田駅下車(AVACO隣)


▼発言
青山薫…伊藤晃…天野恵一


 安倍政権が返り咲いて一年。右傾化という一言では言い表せない事態、多くの人々を切り捨て、あるいは切り捨てる側の論理でがんじがらめにしてしまう、恐ろしい事態がすでにつくり出されつつある。ヤバイのは、改憲、集団的自衛権、秘密保全法、原発だけではない。福祉、教育、経済、労働、家族と、生活に密着したさまざまな問題が、あるいは戦争・戦後責任を否定する歴史認識問題とそこから滲み出る差別・排外主義、倒錯したナショナリズムの蔓延、等々が同時加速的に進んでいるのだ。

 このような状況にあって、象徴天皇制はどのように変容していくのか。天皇制を最大限利用したい政府・財界、マスコミのそれぞれの思惑。あるいはそれらに左右されながらも天皇制的価値観の中で生きる圧倒的多数の天皇支持者の思惑。そして、それらに規定されながら、それでも独自に自らのあり方を方向付けていこうとする天皇および皇族たちの、あってはならない思惑。

 窒息しそうな安倍政権下で、この三つ巴がつくり出すものが、たとえば山本太郎参院議員の天皇への「手紙」をめぐる「事件」だったりする。これも「象徴天皇制の現在」の大きな断片であるのだ。

 来る12月23日の「天皇誕生日」、この日こそは天皇制の問題を考える日である。反天連恒例の討論集会は今年も開催する。今年はこの安倍政権と天皇制の変容という課題を、具体的に捉えていけるような議論としたい。多くのみなさんの参加を呼びかける。

反天皇制運動連絡会 

2013/11/13

カーニバル8号[主張]


天皇制をめぐる「悪の凡庸さ」を問い続ける!


 新聞を開く度に、気が滅入る記事ばかりが目につく毎日である。一一月の三連休の初日に、神保町にある岩波ホールに映画『ハンナ・アーレント』を観に行った。ナチス親衛隊で六百万人のユダヤ人を強制収容所に移送した責任者アドルフ・アイヒマン。この裁判のレポートが『ザ・ニューヨーカー』誌に掲載され大論争になった。執筆者である『全体主義の起源』の著者ドイツ系ユダヤ人ハンナ・アーレントの物語だ。映画についてはきっと、いろんな方々が様々な媒体で紹介されると思うので省略する。この映画館に頻繁に足を運ぶわけではないのだが、それでもたま〜に行く。その度に空席が目立った。それが今回、信じられない観客動員数なのだ。一時間半前でチケットは完売。ゲットした最終回も満席状態。ここでも年齢層は高い。しかし、大学生らしきグループの姿もいくつか。これも極右安倍政権の影響なのだろうか。嘘で塗り固められた言説が大手をふっている日常に、嫌気が差している人々が少なからずいると思いたい。「思考することを放棄するな」と説くこの作品に予想外の長蛇の列。まだ捨てたものじゃないかもとちょっと嬉しかった。

 一一月七日、NSC(国家安全保障会議)法案は衆院委で可決され、特定秘密保護法案も、国民の「知る権利」を制限する内容のまま衆院本会議での審議に入った。極右安倍首相がめざす『積極的平和主義」とは、米軍との協力強化である。今後、武器輸出三原則を見直し、さらに集団的自衛権の行使を認めるための憲法解釈へと進み、最終的に安倍の悲願である九条に国防軍を明記する壊憲へと目論んでいるのであろうが、絶対に私たちはそれをさせてはならない。

 敗戦による米軍の占領に始まる「戦後民主主義」だが、一条から八条が天皇条項で始まるこの国の戦後は、植民地支配や戦争の責任と対峙することなく、天皇を免責することで「日本人」一人一人もまたこの悲劇の元凶ときちんと向き合うことを放棄してきた。そのことは象徴天皇制と民主主義というまったく相容れないものの矛盾を問うことなく、六八年という時間の中で奇妙な倒錯を作り出してしまった。

 戦争の負債を引き摺り続けたヒロヒト。その天皇の地位を継承したアキヒトは、ミチコとともに「リベラルで民主主義者である天皇・皇后」というイメージをしっかり浸透させた。一〇月二七日、天皇夫婦は「全国豊かな海づくり大会」に出席のため水俣を訪問した。石牟礼道子さんは「胎児性水俣病患者に会ってください」とミチコに訴えたという。そしてミチコについて「知性と愛情にあふれた方。あらためて尊敬します」と感想を述べたという。この報道は「なぜ? 石牟礼さんまで」という思いと悲しいダメージを私に残した。「リベラルや左翼」(適切な言葉が思い当たらなくてこう表現する)と呼ばれてきた人々がその権威にすがり付き、天皇制の強化に引きずり込まれていくことの意味を私たちは問う。政府の理不尽さを天皇夫婦に訴えることの「滑稽さ」を笑えるまっとうな社会はどんどん遠ざかる風潮だが、めげずにふんばろう(園遊会での山本太郎の問題点は「反天連からの手紙」を参照)。

 安倍政権は天皇の元首化にも意欲を燃やしている。戦争の匂いがプンプンする。人権など無視の「アホな安倍に利用されてなるものか」という危惧があるのだろう。ミチコは七十九歳の誕生日の宮内記者会で印象に残った出来事や感想を聞かれ、「五日市憲法草案」に触れている。「基本的人権の尊重や言論の自由などが書かれており、近代の黎明期に生きた人々の政治参加への強い意欲や自国の未来にかけた熱い願いに深い感銘を覚えました」と答えている。あくまで天皇制を前提とした草案ではあるが、基本的人権に重きを置いたと評価されるこの憲法草案を、このタイミングで触れるミチコの安倍への牽制の仕方、民衆への民主主義者というアピールは、実に政治的に長けていると思う。けれども私たちは、この言葉を極右政権と対比させて、喜ぶことなどできない。「皇后」としてのこの感想は欺瞞に満ちたものである。この醜悪を嗅ぎ分けるには、思考することをやめず、「天皇制」を問いつづけていくことが必要であると思う。


(アーレントが、「“思考の嵐”がもたらすのは、知識ではありません。善悪を区別する能力であり、美醜を見分ける力です。私が望むのは、考えることで人間が強くなることです。危機的状況にあっても、考え抜くことで破滅に至らぬよう」といっているのだ。映画の余韻が残っている、鰐沢桃子)

反天皇制運動カーニバル8号 [通巻351号]

反天連機関紙 反天皇制運動カーニバル8号
2013年11月12日発行


主張◉天皇制をめぐる「悪の凡庸さ」を問い続ける!

貝原浩のあの時この時◉「日の丸」と「シロハタ」の振り方 
 

状況批評◉失なわれるものが大きそうな
    2020年東京オリンピック─アツミマサズミ

反天ジャーナル◉

書評◉立憲主義の(再)発見とその危機
    ─2006年から2013年へ─岡田健一郎

書評◉映画表現が時代に対峙していたころ─藤田五郎

太田昌国のふたたび夢は夜ひらく〈43〉韓国における、日本
        企業への個人請求権認定の背景─太田昌国

私たちの見解◉山本太郎さんへの「手紙」
  ─反天皇制運動連絡会

野次馬日誌10月8日~11月5日

集会の真相
  • お・こ・と・わ・り 2020年東京オリンピック返上デモ
  • シンポジウム「拡大する汚染水漏れと被曝労働~再稼働なんてありえない」
  • 「持たざる者」の国際連帯行動

集会情報

神田川


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2013/11/08

山本太郎さんへの「手紙」──私たちの見解


2013年11月6日

反天皇制運動連絡会
 
10月31日、秋の園遊会で、山本太郎参議院議員が天皇に「手紙」を渡したことが、多くの議論を呼んでいます。田中正造の「直訴」になぞらえて評価 する声がある一方、政府や与野党を問わず、「政治利用だ」「非常識」「議員辞職もの」「なんらかの処分を」との声が相次ぎ、参院議院運営委が山本議員の 「出処進退」をただした上で、近く「一定の処分」を下すとする騒ぎになっています。

山本議員も述べたように、「主権回復の日式典」や「オリンピック招致」など、さんざん天皇制の「政治利用」を繰り返してきた、政府や議員連中が、山本議員 へのバッシングという目的のために「政治利用」として批判を繰り返すのはきわめて醜悪であり、いわば「政治利用」の利用です。


記者会見での説明によれば、「手紙」の内容は、「子供たちの被曝、この先進んでいくと本当に健康被害がたくさん出てしまう」「食品の安全基準という部分で もすごく危険な部分がある」「原発の収束作業員(が)……本当に劣悪な環境の中で、しかも、搾取されながら労働の対価というものを手にすることなく、命を はりながら、命を削りながらやっているにもかかわらず、健康管理とか放射線管理がずさんなままにされている実情」などを訴えたものであったとのことです。


私たちは、これらの主張内容はまったくの正論であり、3・11以降の反(脱)原発運動に精力的に関わってきた山本議員が繰り返し訴えてきたことであること を知っています。しかし、そのような内容の文章であれ、それを天皇に渡すことでなんらかの政治的な効果を得ることを期待してなされた行為は、やはり誤りで あると、明確に言わなければなりません。


そもそも、「園遊会」とは何でしょうか。日本国憲法では、天皇の政治への関わりは、第4条において「天皇は、この憲法に定める国事に関する行為のみ を行ひ、国政に関する権能を有しない」とされ、国事行為の内容は第7条に具体的に列挙されています。そしてそれらの行為も儀礼的・形式的な行為にすぎず、 そこに記載されていない行為は、天皇としておこなうことはできないと解すべきものです。現実には、国会開会式における「おことば」や「地方巡幸」、「皇室 外交」など、天皇の「公的行為」の名の下に、こうした限定を無視した政治的行為が積み重ねられてきていますが、それらは、天皇の政治的権能を拡大する違憲 の行為です。

天皇主催による「園遊会」は、天皇が単に私的に友人を招いたりするようなものではありません。それは、各界で活躍する「時の人」を集め、それらの人々に天 皇と皇族が「ねぎらい」の声かけをして回る儀式であり、それらの人を束ねる天皇という像を写しだすことで、天皇の権威を強化しそれを広く受け入れさせる、 きわめて政治的な場になっています。それは何ら法的な裏づけもない儀式であり、いわば、制度としての天皇を、個人としての天皇が自らの権威付けのために 「政治利用」しているとさえいえるのであって、このことこそがまず批判されなければなりません。


こうした場で、天皇に対して「手紙」を渡すという行為は、天皇の権威を前提としたものであり、そのような天皇制の容認です。さらに、権威を持つ天皇 への「手紙」とは、結局天皇に対する「直訴」であって、民衆の自己決定としてなされるべき政治を、すすんで支配者の側の「温情」に委ねる行為でしょう。原 発事故に行き着いてしまった戦後日本の社会的な歪みも、こうした「お上」に対する負の民衆意識に根を持ってはいないでしょうか。

私たちは、天皇制という制度自体がいらないと主張します。国家の制度としていえば、民主主義の原理と、血統のみに依拠した世襲の非選出勢力の存在は、矛盾 すると考えます。象徴天皇の役割とは、端的に言って、ときどきの日本国家のありかたに「正当性」を付与するものであり、それ以外のことはできないのです。 したがって、「国策」として推進された原子力発電所づくり、原子力エネルギーによる社会発展政策をも正当化してきたことになります。そのような天皇制が、 そもそも非政治的な存在であるはずはありません。


これらの点で、私たちは、象徴天皇制を掲げた日本国憲法を無条件で擁護する立場には立ちませんが、安倍自民党によって「元首天皇」を明記した改憲策動が進 もうとしている今日、改憲反対のための闘いが急務であると考えています。そのためにも、天皇制の強化に力を貸すようなことは、断じてするべきではありません。


一方で私たちは、山本議員の今回の行為が、議員資格を問われるに値する行為だとも考えません。「園遊会」自体が法的な裏付けのないものであり、参加者個人 が天皇個人に私的に手紙を渡すことが、なんら違法行為でないことは明らかです。天皇への請願であれば宛先は内閣だ、などという批判もありますが、請願法の 趣旨からすれば、天皇から内閣にそれを送付すれば済むことです。


山本議員に対する批判の多くが、「政治利用」を云々しながらも、実は旧態依然たる天皇感覚のもとでの「不敬罪」意識に基づいたものであることは、一連の発 言からも明らかです。そうした立場から山本議員を批判し、さらにはなんらかの処分を主張することを、私たちは決して許してはなりません。それ自体が天皇制 タブーの強化であるからです。


天皇制の強化につながるあらゆる動きに反対するという立場を原則として、私たちは声を発し続けていきたいと思います。

2013/10/15

カーニバル7号 [主張]



                嘘で成り立つ安倍政権を許すな!

 9月26日、安倍がニューヨークの国連総会で演説したという。記事を読んで目を疑った。「日本国内でも、紛争下の地域や貧困に悩む国々でも、女性が輝く社会をもたらしたい」「憤激すべきは、21世紀の今なお、武力紛争のもと、女性に対する性的暴力がやまない現実だ。犯罪を予防し、不幸にも被害を受けた人たちを、物心両面で支えるため、努力を惜しまない」とし、3000億円を超えるODAを約束し、国際刑事裁判所及び紛争下の性的暴力に関する国連事務総長特別代表と協力していくという。今回の訪米で安倍は、国連関連の四会議、シンクタンクなど三カ所でスピーチし、「積極的平和主義」「女性が輝く社会の実現」「アベノミクス」を繰り返しアピールしてきた、と記事は伝える。
 安倍は国際的にもこの手の嘘が通じると思っているらしい。やるべきこと(たとえば侵略戦争・植民地主義への反省と被害者への補償など)を無視し、まったく正反対の価値観で頭が埋め尽くされている安倍の、口先だけの「平和主義」やら「女性が輝く社会」「努力を惜しまない」等々の言葉に対する批判の説明など不要であろう。ただ、このような詭弁の域を超えた嘘で、何事かを進められてはならないということを、あらためて付記したい。
 歴史を隠ぺいし捏造する。未来を騙しつくり変えるほどの大きな嘘も平気でつく。しかも、卑劣漢のくせに「正義」の仮面を被っている。誰であってもそれは正しくないのだが、政権のトップにあって、実際に過去も未来も作り変えるほどの権力を持つ者だけは、絶対にやってはならないのだ。そう思うことの回数が、安倍政権以降ダントツに増えている。
 今朝(5日)の朝刊でも、秘密保護法案を何としても通すための嘘が記事となっていた。「『知る権利』明記へ」の見出し記事。だが、私たちが考える「知る権利」が保証される文言などどこにもない。「特定秘密」の指定のあり方問題、特定指定された場合の情報公開問題。「知る権利」とはほど遠い話ばかりだ。記事は、政府は「特定秘密の指定期間が30年を超える場合、理由を内閣に示して承認を得るとの規定を追加し、『知る権利に配慮した』と説明した」、と述べる。このハードルの高い規定をクリアしなくては得られない「知る権利」などないと同じだ。また、こんな法律のない現在においてすら、どれだけの報道の不自由、表現の不自由、知る権利の侵害がなされているか、私たちはよく知っているのだ。
 デモや集会への警察警備に関する情報公開など本当にひどく、デモ申請で主催者が出した情報以外は何一つ墨塗りから免れないという徹底したものだ。たかだかデモの警備に関する情報すらも現在においてこういうありさまなのだ。こんな法案を通してしまった後の社会を想像したほうがいい。自衛隊監視行動、反原発現地行動、公務員の活動、組合活動、情報産業や最先端企業の不正のリーク等々、思いつくものすべてが危なっかしいものとなる。国家安全保障会議(設置法案)、集団的自衛権容認問題とセットの危ない法案だ。懸念の声は決して小さくない。一緒に反対の声を上げていきたい。
 大嘘の話では、9月8日に決まったオリンピックの東京招致問題もあった。これについては次ページで放談しているのでそちらに任せたい。どうせこの課題は今後7年間は続き、反天課題として関わっていくことになるのだ。すでに、高円宮久子の招致を決めるIOC総会開会式への参加とスピーチという、露骨な話もあった。国際かつ国粋儀礼イベントに天皇家が関わらないわけはないのだ。古くて新しいこの課題、多岐にわたる視点が必要な運動ともなる。多くの仲間と議論を始めていきたい。
 もう一つの純国粋スポーツイベント「国民体育大会」(国体)は、9月28日に開会式が開催された。反天連メンバーも参加してきた「やってる場合か! スポーツ祭東京実行委」(やってる実)が主催する開会式当日の集会とデモは盛会に終わった(集会報告)。国体に関するさまざまな視点からの問題提起は、過去の運動の蓄積と知識から得たものはもちろん大きいが、同時に1年3ヶ月の活動を通して認識し直したことも実際たくさんあった。各地から駆けつけてくれた反国体を闘ってきた仲間との交流では、やっと反国体の運動の末尾に連なったように私などは思えた。やってる実が報告を出すことになっている。乞うご期待だ。
 この一カ月、ウンザリすることばかりではない。在特会の京都朝鮮学校に対するヘイトスピーチを「著しく侮辱的、差別的で人種差別に該当し、名誉を毀損する」として、約1226万円の賠償を命じた京都地裁判決や婚外子差別違憲最高裁判決など、悪くない話もある。どちらも、頑張った人たちの成果だ。反天課題もやらなくては前に進まない。継続は力なり。ともにがんばろー。    
             (桜井大子)

2013/10/13

反天皇制運動カーニバル 7号(通巻350号)


反天連機関紙 反天皇制運動カーニバル7号
2013年10月15日発行  
主張◉ 嘘で成り立つ安倍政権を許すな!
動物(あにまる)談義◉〝暗い五輪招致〟の巻 
状況批評◉ 改憲状況と東アジア─冨山一郎
反天ジャーナル◉
書評◉『犠牲の死を問う──日本・韓国・インドネシア』─池内文平
太田昌国のふたたび夢は夜ひらく◉〈42〉ボー・グェン・ザップとシモーヌ・ヴェーユは同時代人であった─太田昌国
皇室情報の解読◉ 信念をもったデマゴーグ安倍「壊憲」政権の手口
―〈オリンピック政治〉批判─天野恵一
野次馬日誌◉ 9月5日~10月7日
集会の真相◉
  • 許すな!差別・排外主義 生きる権利に国境はない! 9・23ACTION
  • 9・28 東京国体開会式反対集会・デモに90名
  • 9・29「やっぱりおかしい!銃剣道」国体当日集会
集会情報◉
神田川◉
 
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2013/09/26

実行委より ―― ゴメンだ!安倍政権 歴史認識を問う 8・15反「靖国」行動 報告集


実行委より ―― ゴメンだ!安倍政権 歴史認識を問う 8・15反「靖国」行動 報告集http://13815a.blogspot.jp/

 
 今年の実行委員会は、参院選前の七月、安倍政権圧勝という悪い予感にうんざりしながらも元気にスタートした。私たちはここ数年、「靖国」問題に関する歴史的な問題と今日的な運動課題を共有するため、8・15当日を迎える前に小規模ではあるが討論集会を開催している。8・15当日の講演集会とデモにそれらを組み込むことは、時間的にも無理があろうという判断からである。また、年々厳しさをますデモを控えて、ゆっくり議論する精神的な余裕ももてそうにないということもある。というわけで、今年も8・15前段の討論集会「安倍改憲と8・15」を開催し、大いに意見の交換を行った。
 課題と発題者、討論の内容など、本紙集会報告を参照されたし。議論は始まったばかりといった印象も強い。今後も継続していきたい。
 8・15当日は、日韓会談文書・全面公開を求める会共同代表の吉澤文寿さんを迎え、例年どおり集会とデモを行った。吉澤さんは、公開された、あるいは非公開の日韓会談文書をもとに、日本政府の敗戦・戦後処理、戦争責任に対する認識の問題を示しつつ、安倍政権の植民地主義を指摘・批判し、歴史認識論議の「国内問題」化、安倍政権を批判できないマスコミの問題など、いま私たちが考えるべき課題を整理し、わかりやすく示された(「講演要旨」参照)。
 例年この日は、私たちは右翼の妨害に緊張を強いられてきた。今年も例外ではなかった。8・15前々日、集会会場のある建物の同じフロア、幅二メートルほどの廊下をはさんだ向かいの部屋を、「歴史研究会」、実態は在特会が借りていることが判明。今年は集会そのものがターゲットとなったのだ。実行委はすぐに仲間に協力を呼びかけ、建物に警察権力を入れることなく、多くの仲間の結集とその数の力で、集会は予定どおり開催し、滞りなく終了した(参加者二二〇名)。
 そしてデモ。警察は右翼の車両をデモコースに入れない方針をとったようだ。いつもの街宣車が出す大音響の誹謗中傷や「殺せ」コール、ヘイトスピーチは、トラメガによる最大音量程度ということとなった。珍しく私たちの声はお互いに聞こえる程度に響き、これは久しぶりに気持ちがよかった。その代わり、デモのすぐわき、手を伸ばせばつかまれる距離を、「殺すぞ」と威嚇する右翼の面々がくっついて歩いた。デモで歩く参加者の中に一人二人三人となだれ込むように暴力的に介入してくるなど、暴力・妨害も相次いだ。警察は街宣車を止めるかわりに、右翼の接近戦を、私たちの目から見れば「自由に」、やらせていた。そして、これはここ数年続いていることだが、プラカードが、先頭を歩く横断幕が、暴力的に奪い取られた。その際、横断幕のポールは破損し、ポールを持っていた実行委メンバーのズボンはひどく破かれた。軽傷だが手に傷を負った参加者もいた。また、デモの宣伝カーは常に右翼の暴力に晒され、殴る蹴るが続く。車は右翼だけでなく、「進め進め」と警察までもがドアをうるさく叩く。今年は車のドアセンサーが壊れた。昨年はスピーカのコードが切られた。
 いったい、この社会はどうなっているのだ。だが、いや、だからこそか、私たちはこの行動をやめるわけにはいかない。また、この右翼と警察の暴力と横暴に黙っているわけにもいかないのだ。実行委では、これまでも警察への申し入れ、抗議など、行動の前後に行ってきた。今年もまた、どのような形の抗議があり得るのか検討中である。今年も、人が集まることの力をかみしめる行動だった。やめるわけにはいかないのだ。ご注目を。そして支援を。






  
ゴメンだ!安倍政権 歴史認識を問う 8.15反「靖国」行動実行委員会