2012/03/20

モンスター26号[集会報告]

2・11反「紀元節」行動

厳しい寒さが一瞬やわらいだ一日だった。穏やかな陽射しを受けながら「一人の逮捕者も、一人の怪我人も出ませんように」とつい願ってしまう。大逆事件から100年以上の時間を経た現代においてもなお、反天皇制を掲げる私たちが身の危険を感じなければならないことこそ、「国民の総意」ではなく、天皇制は暴力によって維持されてきたことを示す。会場である日本キリスト教会館には、「会場を貸すことをやめなければ、若い奴が行って、ぶっ放すぞ」との脅迫電話が入ったという。電話の主を確認することが出来ないので、相手が公安警察か右翼なのかわからない。デモ申請直前にデモコースを変更した。実行委メンバーがその報告を受ける前に、そのデモコースにぴったりのカウンター行動の場所が右翼のブログに載っている。瞬時に警察から情報が流されているということだ。そして、デモコースには「日本侵略を許さない国民の会」「在日特権を許さない市民の会」グループと右翼街宣車との棲み分けがなされている。警察は「ぶっ殺せ!」と叫ぶ彼らのために、明治通りを通行止めにしてまで場所を用意する。「左翼対右翼」という図式などない。そんなものはインチキであると私は言いたい。その図式こそ、警察が書きたいものではなかろうか。そのような土俵で議論することの愚かしさを、警察によって配置された右翼の罵声をあびながら実感する。

戦後日本国家が行き着いた原発災害から、もうすぐ一年だ。あらゆる「危機」の時代。私たちは四つの課題を立て、議論するなかで現在の状況を読み取っていこうと、今回四人の方に発言してもらった。

京極紀子(「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会)による「ポピュリズムの政治?─ハシズムの暴走を止めよう」。桜井大子(女性と天皇制問題研究会)による「『女性宮家』構想という問題」。なすび(福島原発事故緊急会議・被曝労働問題プロジェクト)による「『紀元節』に考える格差・差別と脱原発・反原発」。村上陽子(ゆんたく高江)による「沖縄と天皇制─沖縄文学の視点から」(敬称略)。各人の発言はこれから出る報告集をごらんください。

4人の方はそれぞれの場所から、現在を問題化する。その繋がりの中で、私たちは2・11反「紀元節」行動を無事にやり遂げることができた。参加者80名である。回を重ねるごとに既成事実化され、平然となされる不当な弾圧に対し実行委は警察に公開質問状を提出した。
(桃色鰐/2・11反「紀元節」行動実行委)