【反天連声明】 オバマ来日・日米首脳会談反対! 天皇会見・宮中晩餐会を許すな!
2014年4月23日
反天皇制運動連絡会
本日、オバマ・アメリカ大統領が、四か国歴訪の一環として、都内一万六〇〇〇の戒厳態勢のなか、「国賓」として来日する。二三日に安倍首相と非公式の夕食会、二四日に皇居での歓迎行事、首脳会談、共同記者会見、そして宮中晩餐会などが予定されている。
今回の首脳会談のテーマとして、日米の同盟強化、環太平洋連携協定(TPP)、地域の緊張緩和があるなどとマスコミは報じている。
この間の、「靖国」「慰安婦問題」をはじめとする「歴史認識」における安倍政権の突出が、中国や韓国のみならず、アメリカの「失望」発言さえ引き出した。安倍政権の行為こそ、東アジアにおける「不安定要因」を拡大しているのだ。今回のオバマ来日・日米首脳会談の最大の目的が、こういった状況を調整し、「傷つけられた日米関係」を「修復」し、あらためて強固な日米同盟の方向性を再確認することにあるのは明らかである。
だがそれは、安倍政権が前のめりになっている、集団的自衛権や武器輸出の容認、対中国シフトに向けた沖縄の出撃拠点・前線基地化の、より一層の進展をしか意味しない。また、新自由主義の貫徹としてのTPPに関しても、安倍はその「早期妥結」による「日米同盟」の強化こそが、「わが国の国益」だと明言している。「自らの思い」だけで突出した安倍がアメリカの批判をうけたことで、その「見返り」としてTPP問題で妥協し、取り引きしようというのではないのか。
そして私たち、反天皇制運動の立場からは、今回のオバマ来日にともなって行われようとしている「天皇会談・宮中晩餐会」に対しても、批判の声を上げていかなければならないと考える。
今回日本政府は、当初一泊二日で予定されていたオバマの来日日程を、二泊三日にすることにこだわった。米大統領としてはクリントン以来一八年ぶりの「国賓」としての来日という形を取りたかったからだが、続けて訪問予定の韓国との差異化を図ろうとしたものであったとも言われている。
「国賓」に対しては、あたりまえのように、天皇との会見や宮中晩餐会がセットされている。だが、これは憲法で定められた天皇の「国事行為」に規定のない違憲の行為である。こうした違憲の行為が、天皇の外国訪問や来日した外国の首脳との会見なども含めて、いわゆる「皇室外交」としてもてはやされてきた。そしてそうした場をつうじて、天皇はあたかも日本国の「元首」であるかのような位置づけをされてきた。
自民党は天皇元首化をも掲げた改憲案をすでに提出している。「天皇会談・宮中晩餐会」は、天皇の「元首」としての実質化を図るものであり、いわば天皇条項に対する「解釈改憲」のさらなる積み重ねにほかならない。
同時にわれわれは、その天皇の行為が持つ政治的機能それ自体をも、批判していかなければならない。
天皇の行為は、国家の賓客としての「国賓」をもてなすための、儀礼的な行為であるに「すぎない」ように見える。実際に、「政治的権能を有しない」とされている天皇の行為として、それは外交の場面における、国際親善・友好一般のための行為のように演出される。
だが、それはあくまでも、日米首脳会談という現実政治の一環であり、その外交に被せられた政治なのである。そこで発せられる天皇の「おことば」なるものの具体的な中身がどのようなものであれ、それは必然的に、今回のオバマ来日をめぐる日本政府の立場を、全面的に肯定するものとならざるを得ない。そもそも、宮中晩餐会を含む天皇の賓客への「接遇」自体が閣議で決定されるものであり、「おことば」もまた、基本的には官僚による作文である。いわば天皇は、儀礼的な面において、安倍政権の政治を分担しているのである。
国家のひとつの機関として、国家の政治を認証し、権威づけするのが天皇の役割である。だからこそ、安倍の政治にたいする批判には、この天皇の違憲の行為にたいする批判も含まれる。
天皇制の政治的権能の強化、そして「元首化」への動きは、マスコミなどを通じて日々再生産され続けている天皇へのタブー意識などとあいまって、現実政治のなかに、批判を許さない「聖域」を形づくることになる。それは民主主義的な原理とはけっして相いれない。
オバマ来日・日米首脳会談反対! 天皇会見・宮中晩餐会を許すな!