2013/09/26

実行委より ―― ゴメンだ!安倍政権 歴史認識を問う 8・15反「靖国」行動 報告集


実行委より ―― ゴメンだ!安倍政権 歴史認識を問う 8・15反「靖国」行動 報告集http://13815a.blogspot.jp/

 
 今年の実行委員会は、参院選前の七月、安倍政権圧勝という悪い予感にうんざりしながらも元気にスタートした。私たちはここ数年、「靖国」問題に関する歴史的な問題と今日的な運動課題を共有するため、8・15当日を迎える前に小規模ではあるが討論集会を開催している。8・15当日の講演集会とデモにそれらを組み込むことは、時間的にも無理があろうという判断からである。また、年々厳しさをますデモを控えて、ゆっくり議論する精神的な余裕ももてそうにないということもある。というわけで、今年も8・15前段の討論集会「安倍改憲と8・15」を開催し、大いに意見の交換を行った。
 課題と発題者、討論の内容など、本紙集会報告を参照されたし。議論は始まったばかりといった印象も強い。今後も継続していきたい。
 8・15当日は、日韓会談文書・全面公開を求める会共同代表の吉澤文寿さんを迎え、例年どおり集会とデモを行った。吉澤さんは、公開された、あるいは非公開の日韓会談文書をもとに、日本政府の敗戦・戦後処理、戦争責任に対する認識の問題を示しつつ、安倍政権の植民地主義を指摘・批判し、歴史認識論議の「国内問題」化、安倍政権を批判できないマスコミの問題など、いま私たちが考えるべき課題を整理し、わかりやすく示された(「講演要旨」参照)。
 例年この日は、私たちは右翼の妨害に緊張を強いられてきた。今年も例外ではなかった。8・15前々日、集会会場のある建物の同じフロア、幅二メートルほどの廊下をはさんだ向かいの部屋を、「歴史研究会」、実態は在特会が借りていることが判明。今年は集会そのものがターゲットとなったのだ。実行委はすぐに仲間に協力を呼びかけ、建物に警察権力を入れることなく、多くの仲間の結集とその数の力で、集会は予定どおり開催し、滞りなく終了した(参加者二二〇名)。
 そしてデモ。警察は右翼の車両をデモコースに入れない方針をとったようだ。いつもの街宣車が出す大音響の誹謗中傷や「殺せ」コール、ヘイトスピーチは、トラメガによる最大音量程度ということとなった。珍しく私たちの声はお互いに聞こえる程度に響き、これは久しぶりに気持ちがよかった。その代わり、デモのすぐわき、手を伸ばせばつかまれる距離を、「殺すぞ」と威嚇する右翼の面々がくっついて歩いた。デモで歩く参加者の中に一人二人三人となだれ込むように暴力的に介入してくるなど、暴力・妨害も相次いだ。警察は街宣車を止めるかわりに、右翼の接近戦を、私たちの目から見れば「自由に」、やらせていた。そして、これはここ数年続いていることだが、プラカードが、先頭を歩く横断幕が、暴力的に奪い取られた。その際、横断幕のポールは破損し、ポールを持っていた実行委メンバーのズボンはひどく破かれた。軽傷だが手に傷を負った参加者もいた。また、デモの宣伝カーは常に右翼の暴力に晒され、殴る蹴るが続く。車は右翼だけでなく、「進め進め」と警察までもがドアをうるさく叩く。今年は車のドアセンサーが壊れた。昨年はスピーカのコードが切られた。
 いったい、この社会はどうなっているのだ。だが、いや、だからこそか、私たちはこの行動をやめるわけにはいかない。また、この右翼と警察の暴力と横暴に黙っているわけにもいかないのだ。実行委では、これまでも警察への申し入れ、抗議など、行動の前後に行ってきた。今年もまた、どのような形の抗議があり得るのか検討中である。今年も、人が集まることの力をかみしめる行動だった。やめるわけにはいかないのだ。ご注目を。そして支援を。






  
ゴメンだ!安倍政権 歴史認識を問う 8.15反「靖国」行動実行委員会

[報告]「安倍改憲と8・15」7・28討論集会  ―  ゴメンだ!安倍政権 歴史認識を問う 8・15反「靖国」行動 報告集 



[報告]「安倍改憲と8・15」7・28討論集会    ―ゴメンだ!安倍政権 歴史認識を問う 8・15反「靖国」行動 報告集  http://13815a.blogspot.jp/


 ゴメンだ!安倍政権 歴史認識を問う 8・15反「靖国」行動主催で標記集会を日本キリスト教会館で行なった。
 集会は、主催者から8・15当日は討論時間が取れないので今日の集会を企画した。それぞれの運動・立場から安倍改憲との闘いについて議論したいとのあいさつではじまった。
 山口素明さん(フリーター全般労組)は「改憲と生存権、格差問題」について自民党改憲案は生存権保障を後景化させ、家族を社会の基礎的単位として強化し、家族に対しての国家の管理をつよめるものである。日本の生活保護の捕捉率は二〇%程度と低く、最低基準に合わせると称して生活扶助費の削減が行われている。一旦廃案になったが、改憲の具体化として行われる生活保護の改悪案など具体的な攻撃を押し返すことも重要だと訴えた。
 園良太さん(堅川弾圧当該)は「自民党改憲案と弾圧・街頭行動の自由」と題して、自民党改憲案が思想・良心の自由、表現の自由より「公益」を優先し、行政を聖域化するものである。現在園さんにかけられている「2・9堅川弾圧」は改憲の先取り攻撃である。行政は団交を一方的に中止し、野宿者を暴力的に排除し、役所に抗議に行っても担当者は出て来ず、対応した人は無責任な発言を行うだけだった。行政の不当な対応への抗議に警備強化と弾圧で黙らせ、行政の行為を聖域化、絶対化する攻撃である。権力の不当な弾圧を許さず、弾圧に委縮せず、街頭行動の自由を闘いとることは安倍改憲を阻止することと一体である。闘い続けようと訴えた。
 桜井大子(女性と天皇制研究会、実行委)は「歴史認識、差別・排外主義、憲法」について、とりわけこの間の「従軍慰安婦」問題について、日本社会が解決しなくてはならない歴史的課題という認識が、国連関係からの発言をのぞき、おそろしく希薄である。その一因にマスコミの歴史認識問題への無理解がある。「歴史認識」を社会的認識にしていくための、「従軍慰安婦問題」の抹殺と「靖国」思想が同根であることなど明快な説明が必要であるなどの問題提起を行った。
 竹内康人さん(人権平和・浜松)は「戦争・軍拡と反戦・反基地の民衆史」について話された。天皇代替わりの時、この国の民主主義、天皇の戦争責任って何だろうと思った。3・11も同様に考えさせられた。軍事基地はどのように形成され、使われてきたのか。首都圏の反戦・反基地運動の歴史をレジュメで報告した。近代の軍拡の歴史をどう見るか?権力は密約などウソだらけの情報を流し、軍拡を行ってきた。在日米軍基地は横田や横須賀に集約しながら、沖縄の基地を強化してきた。生命、平和、歴史的責任を据えた反核・平和運動が必要と訴えた。
 天野恵一(実行委)は「靖国問題、政教分離、慰霊・追悼問題など」について問題提起を行った。自民党改憲案と大日本帝国憲法と現憲法の比較、「靖国問題と憲法二〇条」と天皇条項について報告した。自民党改憲案は、二〇条の「信教の自由」の3に「社会的儀礼又は習俗的行為の範囲を超えないものについては、この限りではない」を加え、靖国神社への首相・閣僚の参拝を合憲化する─「政教分離」原則の破壊である。さらに天皇条項は、天皇を元首とする天皇制の再定義を行っている。天皇を「象徴」のまま強化する第三の天皇制である。自民党改憲案は戦後の擬似立憲国家の擬似を外す攻撃であると訴えた。
 その後討論で「差別禁止法」についてさまざまな意見が出され、「8・15」の黙祷粉砕行動において、靖国神社で「追悼」する家族をどう考えるか、自民党の改憲草案を見たとき「日の丸」「君が代」を習俗的行事とするものである、さらに学校現場で「君が代不起立」を闘う教育労働者から改憲は闘うことすら出来なくなるのではないか、などの議論が行われ、安倍自民党改憲政権との対決の重要性を確信する集会であった。
(労活評・野村洋子)

2013/09/10

カーニバル6号 [主張]

         天皇制への翼賛化を撃ち返す楽しい運動を!!
 
 裕仁の珍妙な朗読でいわゆる「終戦の詔書」が放送された8月15日には、63年以降、国家による「戦没者」の顕彰と慰霊・追悼行事が開催されてきました。そしてこの日は、私たちにとっても、30年にわたり、歴史の捏造を批判し、「戦争神社=靖国」を批判する行動の日として持続されてきました。

 この行動に対する右翼団体の妨害と暴力はそれまでにも繰り返されてきましたが、それが在特会をはじめとするレイシスト・ネット右翼と結合して大きく変貌したのは、08年・09年からのことです。今年の8月15日にもまた、彼らによる私たちの行動への執拗で激しい攻撃がなされましたが、しかし、緊急の呼びかけに応えてくれた多くの人々の熱く堅い意志に支えられ、負傷者を出すこともなくこの日の闘いを終えることができました。当日の行動を集約する場における、参加者の方々の、疲労しながらも晴ればれとした笑顔が、いまも心に深く刻み込まれています。

 「一方において皇室中心主義または愛国運動等の美名に藉口して、他人の言論の自由を不法に抑圧し行動を束縛し暴戻専恣の行動をたくましくし、一般国民をしていいたいこともいえぬような社会情勢を馴致し、社会を陰鬱ならしめていることは、社会不安の重大原因をなすもの」。……これは、戸坂潤の時論集「現代日本の思想対立」から引いたものですが、この発言者は、岡田啓介内閣の小原直司法大臣です。時代は5・15事件を経て、2・26事件前夜、小原は思想弾圧や「国体明徴」運動を進める当事者でもありました。これはすなわち天皇制に基づく「挙国一致」に向け、軍や司法官僚による言論統制を正当化する体制の構築の中で発されたものです。うかつに読むと一見してリベラルとも錯覚するような発言が平然となされる背後に、国家や民間においてどれほどの直接的な暴力と抑圧がなされていたか。これはそれが既成事実化させられた後の「仕上げ」に向けた発言で、それを歴史の中で僅かに追うだけでも慄然とせざるを得ません。

 「コ〜ロセ殺セ、ハンテンレン」という、おなじみの右翼たちのコールは、今年は減少しました。レイシストの中には「コ〜ロセ殺セ、チョーセンジン」などのコールが「対外的に不利」とする連中もいるようです。彼らが働きかけようとするのは、直接的にはインターネットの動画サイトなどで「娯楽としての差別」を享受する層です。しかし、安倍政権の支持層全体の中で、その軍事と治安弾圧体制への傾斜、反中韓・反「北朝鮮」・反ロシアなどの対外硬派的対応、国内的には現憲法の破壊とともに、差別と貧富二極化の進行を、あたかもプラスの一挙的な大改革であるかのごとくもてはやす動きが顕在化しているのは明白です。

 今年も8月15日を前に、私たちは7月28日に「討論集会」を開催し、こうした問題について率直な意見交換を行いました。少ない人数ではあれ会場をいっぱいに満たした人々によるそこでの討論内容もまた、改憲や靖国の認識を豊かなものとすることができたと思います。「社会運動」の運動圏の中には、8月15日の行動を「極左と極右のプロレス」と誹謗し揶揄したりするばかりでなく、「護憲と平和主義の明仁天皇」を賛美し、その意を忖度して持ち上げて見せる傾向も、徐々に深まっています。こうした反理性主義、反歴史主義に抗していくためにも、8月15日の取組みは、より幅広く強靭なものにしていかねばならないと強く思います。

 この夏の猛暑は、豪雨と竜巻の大災害を締めくくりにして緩和されていますが、そんな中で、私たちの行動は、皇室イベントの代表でもある国民体育大会=2013年スポーツ祭・東京への反対行動に向かっています。「東京オリンピック」実現に向け、皇族の招致活動への投入も実施されました。これが実現すると、汚染を地下や海、そして労働者に拡大し続ける福島第一原発の現実は覆われ、障がい者やホームレスは隔離され、社会運動全体がさまざまな方面から弾圧され、スポーツが翼賛運動そのものとして組織されることになります。メディアや広告、土建業などをはじめとする各産業が、自衛隊・警察とともにその尖兵とさせられていくでしょう。この期間には天皇の代替わりもまた想定でき、これをきっかけに社会全体の地滑り的な変動が起きる可能性が大きい。無用で食傷気味な危機アジテーションに聞こえるかもしれませんが、社会のさまざまな分野で進行している頽廃は、それほどまでにも深いと感じます。

 これに比べると、東京国体はささやかなものかもしれません。しかし、天皇行事に向けた学校や公務員の動員という本質は、いささかも変わりません。ほんの少しでもこれらに撃ちかえしていく試みの意味を、自ら捉えかえしながら、できるだけ楽しい運動を実現したいと思います。ご支援ご協力を!
(蝙蝠)

カーニバル6号【集会報告】




ゴメンだ!安倍政権 歴史認識を問う8・15反「靖国行動」

 
 日韓会談文書・全面公開を求める会共同代表の吉澤文寿さんを講師にお招きして、8・15行動実行委員会主催による集会を全水道会館で行った。第二次安倍政権における日本の「植民地責任」問題を朝鮮との関係を事例としてお話しいただいた。 
 原発震災以降、原発や核の問題を基調とする議論がされる時に、実質上はアメリカの「属国」であることが強調されるようになったが、同時に日本の植民地支配、戦争責任問題を問うことも大切と前置きされて本題に入られた。   
 日本政府はアメリカとの関係を基軸に、中国や韓国などの周辺諸国と歴史認識などで対立することを前提としながら、政治的経済的関係の維持を模索する戦略をとっている。しかし、外交レベルにおいて、そのようなことが通用するのだろうかと疑問を呈される。  
 朝鮮人強制連行問題をめぐって、韓国と日本の司法が重要な判断を示しているが、この判断の連鎖は不可逆の流れであるという。  
 示された2012年12月以降の年表から領土問題、朝鮮学校への差別等、ナショナリズムを煽る政権運営が見えてくる。一方で、「河野談話」や「村山談話」を見直そうとする動きに対し、米国の対日不信を考慮し、歴史認識論議の「国内問題」化を目指していると指摘される。また、そのような安倍政権を批判しないマスコミの姿勢をも批判された。  
 文書公開運動の一部をパワーポイントを使って紹介され、日韓基本条約、日韓請求権協定の見直しが日本の「植民地責任」を克服するカギとなると話された。  
 第二部では、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック、「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会、安倍のつくる未来はいらない!人々、日韓民衆連帯全国ネットワーク、平和の灯を!ヤスクニの闇へキャンドル行動実行委員会、オリンピックいらないネット、やってる場合か!「スポーツ祭東京」実行委員会、第40回許すな!靖国国営化8・15集会実から連帯のアピールをいただいた。  
 フロアーの目の前の会議室を「在特会」が確保した緊迫した状況での集会であったが、沢山の仲間たちの応援と協力があり、250名の参加者とともに充実した集会を行うことができた。感謝である。その後のデモも警察と右翼の嫌がらせに屈することなく、無事に貫徹できた。 

(実行委/桃色鰐)

反天皇制運動 カーニバル6号(通巻349号)


反天連機関紙 反天皇制運動カーニバル6号

2013年9月10日発行


主張◉天皇制への翼賛化を撃ち返す楽しい運動を!!

貝原浩のあの時この時◉セクハラ「不敬」疑惑

状況批評◉戦後「無責任国家」の発端としての裕仁の「終戦の詔勅」─(田中利幸)

反天ジャーナル

ネットワーク◉親子が親子であること、それは人権─(宗像充)

ネットワーク◉9・28ついに東京国体!開会式反対集会とデモにご参加を!─(井上森)

太田昌国のふたたび夢は夜ひらく◉〈41〉排外的愛国主義が充満する社会の中の異端者─(太田昌国)

野次馬日誌◉ 8月2日~9月4日

集会の真相
  • 平和の灯を!ヤスクニの闇へ キャンドル行動2013
  • ゴメンだ!安倍政権 歴史認識を問う8・15反「靖国」行動
  • 2020年東京にオリンピックはいらない
集会情報

神田川


 
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